NOTEBOOK
●2023年年末
コロナも消えたわけではない上にインフルエンザまでもが流行しているわけですが、世の中的には風化した感もある今日この頃。とはいえ、自分は未だ外に出ることに対しての抵抗感が薄れたわけでもなく、もう4年も外食すらできていない(買い物とか病院とかは行ったりはするけどね)。行きたいライブやイベントがあっても、あまり人が沢山集まる所に行く気にはなれない。
毎日が仕事、しごと、シゴト、アメとユジュの世話、食う、寝る、たまに映画でも見る、の繰り返しという……とても楽しい生活♪…ある意味、狂気ですらある。ヒヒヒ…
話は変わるが…現在、お仕事でオーケストラ系の音楽をDTMでやっているわけですが、これが結構なマシンパワー(PCの)を必要とする。今まで騙し騙しやっていたが、速いパッセージを入力したりするとCPUの処理がいっぱいになり音が途切れたり、鳴らなくなるようになる。パフォーマンスやASIO関係の調整でも誤魔化せなくなった。仕方ないので、現状で最速に近い構成でPCを購入。
パフォーマンスメーターを見るとCPUの負担は多少軽くなった(それでも劇的とは言い難いが)。Halion Sonicを3つ(「弦と木管」、「金管」、「パーカッション」のセクションに分けている)、Falconを1つ(その他のパート)を同時に立ち上げている程度だが、曲を鳴らすと同時発音数が800近いセクションもあったりするので(一つの楽器にマイクが5~6本、強弱からアーティキュレーションまで込みこみのサンプルを扱うので仕方ない)レイテンシーなど気にしてもいられない。ASIO Buffer Sizeも2048 Samplesまで落とし。ASIO Guardで先読みさせておかないと安心して作業できない。
まぁ、曲はほとんど頭の中で考えて、口ずさみながらマウスで直接MIDIエディタにノートを書き込んでいるので、リアルタイムで鍵盤入力する必要はないが…オーケストラ系の作曲やってる方は、楽器をセクションとかで分けてPC複数台とかでやってるんでしょうかね?その辺のノウハウがないので手探りなのがもどかしい。
Cubase 13がリリースされて処理が速くなった。という噂が聞こえてきたのでアップデートしてみましたが、自分の所ではさほど変わりなかったですね。12は浮動小数点(かな?)の計算でCCやボリューム数値をまとめてShiftしたりすると、数値のポイントによっては1ズレたりする事があって気持ち悪かったのですが、それが直った?だけでも良しとしよう。(レベルの低い話で申し訳ない)(後日追記:とんでもない。直ってないし、変な所が結構ある。改悪多し)
また、自分の趣味の音楽もやりたいようにやれる環境になってきたため、始めたいところだが全く手が付けられない状態である。耄碌する前に何とか実現したいところだが、なかなかゲームの仕事をしていると自分の趣味に時間を取ることが難しい。今や自分の演奏技術はもう必要なく、欲しいサウンドも大抵手に入る。だから吐き出したい感性を気の赴くまま吐き出せば良い。金額的にもシンセを何台も買うのに比べたら全然安い。絵にしても音楽にしても、自分が10~20歳代の時にこんな創作環境があったらと思わずにはいられない。凄い時代になったものだ。
●ウブスナ UBUSUNA
今年は、特にお伝えすべきことがありません。正直モットーでお伝えすると、「目に見える部分」であまり進んでいるとは言えません。一所懸命にやってはいますが、やはり今時のリソース制作は時間が掛かるし、他のプロジェクトのヘルプで人員も持っていかれたりしているので、年間単位で部分的に制作ストップしたりする(これは仕方がないですが)。現状ではサウンド、グラフィック、企画の作業をやりながら、自分の頭の中で仕様を煮詰め、クオリティを上げておくしかありません。
以前からお伝えしているように、確かに全てのステージは動いています。けど、「動いている」=「完成」ではないので、手を入れる所は何度でも手を入れるし、初めから作り変える事もあります。残念ながら自分はそれほど優秀な開発者ではないので、頭の中でも作業の上でもトライ・アンド・エラーを繰り返します。なかなか効率化もできないのですが、シューティングゲームとは言っても、経験則が通用しないウブスナのゲーム性は、私にとっても実験ばかりであり、ある意味細かい調整を繰り返すことでしか解決できないのかもしれないと感じ始めているところ。
一つ確かなのは、自分が提案したコンセプトに対して、エムツーの堀井社長は全面的にこれを支持してくれているわけで、故に私が諦めるような事があってはイカンのです。何年掛かってでも死なない限りは続けるので、待ってくれている皆さんには「待っていて欲しい」としか言いようがありません。そんなわけなのでSNSに「ウブスナ オワタ…orz」とか書かないように!
2014年の発表が早すぎたのでは?という事も言われましたが、私はそうは思っていません。何故かは昨今の広告やゲーム業界の事情において、中小の会社で無名のオリジナル商品を製作して売る立場になればわかります。私の経歴や名前があるって?そんなもんゴミみたいなもんです。大抵の人は知らないので大して役にも立ちません。今の私には先行してゲームのタイトルや存在を憶えておいてもらえるだけでも、めっけもんなのです。
何だかお通夜みたいな雰囲気になってません?(俺のせいか!)何にせよ、少しずつでも「明るく」前に向かって進んではいるんですよ~。そして、「輪くすさが」氏率いるデザインチームによるクオリティの高いデザインとモデルが次々と上がってきているので乞うご期待。それだけはお伝えしたい所。
●レオパのアメとユジュ
さて、我が家のレオパードゲッコー(以下レオパ)ですが、去年お迎えしたレインウォーターの「アメ」一匹では寂しいかな?と思い、3月にもう一匹お迎えしました。2匹めはマックスノー エクリプスのメス、「ユジュ」と名付けました。奥さんが「何それ、永訣の朝?」と聞くので、「はい。レインとスノーだから…」ということでそんな名前になりました。本来エクリプスはその名の通り、目が真っ黒なのですが、この子はスネークアイ(寄り目)です。ま、かわいいから何でもいいけど。
メス同士なので、(オス同士は縄張り争いでケンカになりやすいので無理)広めのケージで一緒に飼えたらいいなぁと思ったのですが、引き合わせたらアメがユジュを攻撃しはじめたのですぐに引き離し、仕切りの板を用意して別々に飼う事にしました(寂しくも何ともないらしい)。後学の為に書いていきますが、仕切り板(ウチはアルミ製の板に5mm程度のパンチング穴が沢山空いている網状?のものを用意)を取り付ける場合、少しの隙間も残さない方がいいです。1cm程度の隙間があるだけで無理やり通り抜けます。レオパ同士が本気でケンカすると大怪我になるので気を付けてください。コルク材などを切って隙間を埋めるとやりやすいです。(なぜこのような仕様にしたかというと、1つの大きめのケージで大きめのパネルヒーター、トップヒーターを1つずつ使って、仕切った2つの空間を同時に温められるようにするためです。別々に用意すると器具も電気代も2つ分掛かるから。そして、仕切りの中間地点にサーモスタットを取り付けています)
ユジュはまだ体が小さく、痩せていたので食べるだけ食べさせていたら、あっという間に太ったw。現在とても貫禄ありすぎ(お腹が饅頭みたいになったので現在食事制限中)。
そして…初夏。アメの食欲が落ちてご飯を食べない…はて?拒食?アダルトになってくると食べる量も減ってくるとの事だったので大丈夫かな?なんて思っていたが、透明の容器に入れて下から覗くとお腹に白っぽい楕円が2つ感じられる。これはタマゴかも?レオパの抱卵は自然に消えるか、無精卵を生んで終わりだという情報はあったので、しばらく様子を見ることにしたが…そうしている内にみるみる痩せ始めた。レオパは尻尾に栄養を溜めることができるため、その栄養を使うと1ヵ月ぐらいは何も食べなくても生きていられる。ところがその尻尾が痩せ始めてしまったので、これはマズイということでしょう。
お腹に黒いシミのようなものも透けて見えてきたので、もしかしたら内出血している可能性も考えられる。思い立って動物病院へ行く事にしました。レントゲンやエコーなどの結果、やはりタマゴが2つ入っているとの事。しかも、すでにタマゴの直径が骨盤の穴よりも大きくなってしまっており、卵詰まりの状態でした。(ただし、手遅れでは無いとの事)痩せてきている上、爬虫類の手術は麻酔の量が個体差で難しいため、しばらくはカルシウム剤の点滴と子宮収縮剤の注射で様子を見ることになりました。お腹の黒いシミのようなものは内臓などがタマゴに圧迫されて透けて見えるだけとの事。
それから、ほぼ毎日のように動物病院に通って注射をしてもらったわけですが、今年の夏は酷い暑さで、保温バックに入れたアメを抱えて、汗水ダラダラ垂れ流して電車と徒歩で通い。よく倒れなかったものだと初めて自分を褒めてあげたくなっちゃったり。
ケージの方の準備は、産卵床を用意するということでタッパーに通り抜け用の穴を空けて、中に湿った水苔なんかを入れて産める場所を作るのですが、作っても全然入ってくれない。うむむ、ということでケージ内に湿らせた水苔を敷きまくって、どこでもいいから産め!状態にした。すると時々、ウロウロ徘徊しては「ウ~ン」と気張っている。(ウ〇コの時と同じ姿、後ろ足を上げて気張る)翌朝になるとケージ内が水苔でめちゃくちゃ(蹴ったり掘ったりしているので)になってはいるが、方法としては問題無いようだ。後はネットの情報からぬるめの温浴でお腹の活動を活発にというのでやってみたが、効果があるのかどうかはわからず。
しばらく通院を続けて、そろそろ手術の可能性も考えましょうかと話し始めた頃、無事1つ目のタマゴを産んだ。なるほど、デカいタマゴだがプニプニして柔らかい。ちょうど軟式テニスボールのような感じ。骨盤の穴より大きくても伸縮性があるので産めたわけだ。
タマゴを1つ産んだことで少しだけお腹に余裕ができたのか、ご飯も少し食べたが、またすぐに食べなくなり気張りだした。しかし、これなら産むかもということで、通院を続けてやっと2つ目を産卵。胸をなでおろす。大変だったし、お金も掛かったが背に腹は代えられない。何にせよ助かって良かった。
それからは、ご飯を食べる食べる。もう食べるだけ食べさせる。数週間程度で体つきも元に戻ってきた。そしたら、また食べなくなった!何ということだ…今度は私にもわかる。これは去年しばらく飼ったカナヘビでも見た、2クラッチめというやつだ。爬虫類はタマゴを複数回産む。その回数は個体差があるのだろうが、またお腹が膨らんできているので多分そうだろう。だが、一度タマゴを産むことを知ったはずなので様子を見る。またケージ内に水苔を敷き、産卵床を用意してしばらくするとウ〇コと一緒に薄皮のタマゴを産んだ。殻が薄いので小さく潰れた水風船のようだ。(一瞬、多量の尿酸を出したのかと思った)とりあえず一安心。だが、タマゴは2個で1セットなはずなので、もう1個産むはず。その後、数日に渡って気張っている。さすがに1週間ほど食べずに気張って元気も無くなってきた。ミルワームの頭を取って、ピンセットで中の身を絞り出し、口に付け、舐めさせて栄養を取らせようとした。しかし、食べたのは初めの数回だけて、その後ミルワームの身を口に付けると、「いらん!」と言わんばかりに俺の手に付け返してくることを憶えた。こやつ頭が良いのか悪いのか?仕方ないので、最終手段としてシリンジ(小さい注射器ね)でドロドロにした人工餌を強制給餌。(この場合、栄養素のバランスが良い、人工餌の方が良いと判断)口を開ける時、かなり抵抗されたが何とか食べてくれた。
翌日、もう強制給餌は御免だ!と言わんばかりに2つめのタマゴを産んだ。本当に良かったよ。これで済んで。
散々、色々な事をやったので、アメにはかなり嫌われたと思ったが、意外に人慣れしてくれた。ナデナデしても嫌がらなくなった。ユジュはまだ慣れてくれないが…まぁ、人に慣れないのが普通なので、それで良い。
でもその後、ユジュに餌をあげたり、世話していると、いつの間にかアメが凄い目で(家政婦は見た!的に)見てくることが多くなった。これってジェラシーかしらん?
長文にはなったけど、レオパを飼っている人の多少の参考にでもなれば。でも大事なのは、いざという時に連れて行ける病院を探しておくことだとは思うけど。
でも動物病院ってやっぱり飼い主の苗字にペットの名前で呼ぶのね。「井内アメさ~ん、2番の診察室へどうぞ~」とか。恥ずかしい名前はやめた方がいい。
その他、カマキリもカナヘビも来たけど、数は少なかった。この夏の暑さはただ事ではなかったので、生き残るのも大変であろうと想像はできる。カナヘビも小さく埃まみれでグッタリしていたのがいたので、拾って1週間ほどお世話。元気になったところで外に戻してやった(カナヘビは去年飼って飼いきれない事が分かっているので、このぐらいでお別れするのがベストだと思う)。拾った翌日3つタマゴを産んだが、小さい上に潰れていたので全く孵ることはないと判断して捨てた。お腹が白いメスは初めて見た(お腹の色と性別は関係ないのかな?)。
先日、12月に入ったというのにベランダでメスのオオカマキリに出会った。多分もうお仲間はいないし、気温も低く、餌になる虫も少ない。死を待つだけだろうと思うので飼ってやることにした。幸いレオパ用のミルワームを食べるので、暖かい部屋でそのまま看取ってやるつもり。(昨日、ケージに小さめのタマゴを産んだ。でも、これは孵らないだろうなぁ)
●今年良かったものなど
○音楽
・平沢 進 [全般]
去年の日本のプログレ聞き直しの続きで、「マンドレイク」から「平沢 進」に流れてきました。この人の音楽は歌詞の語呂合わせ(選び)が面白いし、昭和歌謡から変化したような独特なメロディ。真似しようとしてもまず無理な歌唱力。とまぁ、個人の力で固められた唯一無二の存在。自分の仕事でやっている(or やろうとしている)音楽とはあまり関係ないのですが、面白いのでずっと聞いていました。9月に行われたライブ「HYBRID PHONON 2566」も、有料配信されるとの事でチケットを購入して家で観ました。「BEACON」からの曲中心でやるのかと思っていましたが、結構初期のP-MODELの曲などもアレンジを変えてやったりして幅広く面白い内容でした。配信ライブは今の私には究極的な救済措置なので、今後もやってくれるととても嬉しい。(これはこれで大変なのかな?)
・Roger Waters [The Dark Side Of The Moon Redux]
あぁー、なるほど。これはRoger Watersファンが肯いて、Pink Floydファンが拒絶しそうな内容ね。Roger Watersが、家のバルコニーにある椅子に腰かけて、午後の気怠い日差しを受けながら本でも読んでいる情景動画w、に付けるサウンドトラックと考えると存在の意味が見える気もする(モノローグの多さから言っても回顧録のように感じる)。曲個別で聞くと悪くないんだけど、全曲通して聞くと何だか腑に落ちない不思議なアルバム。
・Trevor Rabin [Rio]
90125時期YESの立役者であり、ギタリストのTrevor Rabinの34年ぶりのソロアルバムとの事ですが、ずっとサントラ関係をやっていたのでそういうことになるのか。一聴して「あぁコレコレ」というぐらいにTrevor Rabinらしさに満ちているし、とてもバラエティ豊かなロックアルバムという感じ。90125 YESは認めないというYESファンも当時は結構いたと思うけど、自分は「BIG GENERATOR」も大好きなアルバム(「I’m Running」なんて最高だろ?)だし、「TALK」は自分の好きなYESのアルバムの中で三指に入る(他の2つは「Close to the Edge」「Relayer」)。絶対「えぇ?」と言われるだろうが、これは個人的な思い入れが大きい。「TALK」の中の曲「Endless Dream」は、自分の今までの人生の中で一番辛く苦しい時を救ってくれた曲なのだ(歌詞も含めてね。YESにしてはとても直接的な歌詞だし…Chris SquireのコーラスのMIXがYESらしくないのもわかるけどね)。もちろんRioもそのサウンドを継承している。嫌いなはずは無い。
・John Wetton [AN EXTRAORDINARY LIFE: 8CD BOX SET]
やっと出たという感はありますが、欲を言うともっと未発表の音源やらソロ以外のものまで網羅してくれると良かったんだけど…それは望みすぎだろうか。6枚のソロアルバムと2枚のアウトテイクやレア音源など。パッケージもしっかりとした作り。もう自分にとっては良いとか悪いとかというものではない。あって当たり前のもの。
ソロアルバムでのおすすめだと「BATTLE LINES(日本ではボイスメールなんてタイトルで出ていた)」「ARKANGEL」「ROCK OF FAITH」あたりでしょうか。
・Moongarden [Christmas Night 2066]
一聴して今までのようなキャッチーさはないのだけど…雰囲気で聞かせてくれる。何気に結構聴いてジワジワと来ている。2枚目のGenesisやASIAのカバーは蛇足感があるので正直あんまりいらない。
ライブもやっているようなのでYouTubeなどで姿を見せて欲しいな(公式な奴を)なんて思う。
・Big Big Train [The Likes Of Us]
こちらはまだ出ていませんが(2024/3/1発売予定)期待を込めて。
新メンバーに、ALBERTO BRAVIN(ボーカル)、DAVE FOSTER(ギター)、CLARE LINDLEY(ヴァイオリン)、OSKAR HOLLDORFF(キーボード)を迎えて、新しくなったBig Big Train。YouTubeの方には新曲や最近のライブ動画があがっていますが、変化をあまり感じさせない自然なメンバーチェンジのようです。さて、新しいアルバムはどのような感じになっているか楽しみ。
・STEVE HACKETT [The Circus And The Nightwhale]
こちらも2024/2/16発売予定。今回はコンセプトアルバムということで、どういった感じになるか楽しみ。コンセプトアルバムなら全曲通しのライブもやって欲しい所。
○映画
柏にキネマ旬報シアターって映画館があって、シネコンでやらないような渋い映画は大体ここで上映してくれるのでよく行く。今年も色々と見ましたが、こういう形で監督業を終えるのか~って思ったのが、紀里谷和明監督の「世界の終わりから」。
確かに「キャシャーン」とか「GOEMON」とか、色々言われたでしょうね。言われても仕方ない部分はあるんだけども…ただ、絵面はいいのだから、一度ファンタジーな部分を全部捨てて、直球勝負のドラマを撮ったものを見せて欲しかったなと思う。今回、主演の伊東蒼さんをはじめ、とてもいいキャスティングに恵まれたからこそ、なおさら惜しいなぁと思う。
でも、監督自身はファンタジーがお好きなんでしょうかね。そういう私も、こういった学園を舞台にしたようなジュブナイル系SFというか「ファンタジックなお話」って結構好きではありますが。
観に行く前に予告編を観た段階で「千と千尋のエヴァンゲリオン?」って思っちゃったんだけど(それほど的外れでもないと思う)終盤70年代的なバッドエンドを迎えながらも最後は”手塚治虫”的な方向でオチを付けるのも含めて結構好きだったんですよ。ちゃんと「親殺しのパラドックス」を消化してるのもね。そりゃ、ツッコミたくなる所は山のようにあるし、ファンタジー系の非人間キャラはいらないんじゃない?もうちょっと嘘としてもリアリティがあったほうが良くない?って色々言いたくなる。言いたくなるってのは面白かったんですよ。それ故に、ここがこうだったらって思う所以だと思う。
それでも、これを最後に映画監督をやめるというのであればそれは尊重しますが、この方向性(日本の古き良きSF?)の映画を作るならもう少し踏ん張ってほしかったなぁ…と残念に思うのです。
それでは皆さん、良いお年を!
●2022年
戦争。欺瞞。策略。疫病。まるで世紀末のような様相。悪い事ばかりでは無いにしても、70年代の某小説のセリフ「神様、人類はまだまだです」という感じの1年。
●ウブスナ UBUSUNA
年末にYouTubeのエムツーショットトリガーズの配信でコメントを出したのですが、ここを読んでいる事を前提にしたため、端折りすぎて一部の方には伝わらなかったようです。あれは黒っぽい自虐ジョークが並べてあるだけで、そのまま言葉通りに受け取る必要はないのです。と言っている段階で見てない人やジェネレーションギャップを読み違えた自分が悪い。(だよな…)
実際、作り直しで騒ぐほどのレベルでもないし、ゲーム部分は前々から言っているように一通りは動いており、グラフィックの作り直しとは関係がないのです。難航しているわけでも迷走しているわけでもありません。日々コツコツと進んでいます。
ただ、今のCGグラフィックスの制作作業は相当な時間を要します。しかも仕様的に制作の手数が多い部分があったり、SF、メカニックのデザイン分野には人が少なかったりすることもあって時間は掛かっていますという事です。
というわけで、「ウブスナ UBUSUNA SOUNDTRACK-EP-」と「M2STG生放送2 #1」を貼り付けておくので、その辺りを前提に見て楽しんでください。
それから、今後当分の間は広報的なものや情報提供はやらないつもり。でも余程の事がない限り制作は止めたりしないので心配は無用です。長くお待たせしてしまいますが、ご理解の程よろしくお願い致します。
●カナヘビとレオパ
今年もカマキリは10匹以上来たのですが、別の生き物が出現したので飼育することはありませんでした。
その生き物とは、今年になってベランダに現れた「ニホンカナヘビ」。(その代わりいつも来ていたニホンヤモリが来なくなった)チョロチョロと歩き回っていたり、チリトリの柄の部分に住み着いたりするようになっていました。(カナヘビと言ってもヘビではなくトカゲ。警戒心がとても強く動きが素早いです)
今年の夏は6月から鬼のような暑さだったので、このままでは死にそうだなぁと思ってとりあえず1匹捕まえて育ててみました。
爬虫類用のケージを買って飼っていたのですが、そうこうしている内にベランダにもう1匹。また1匹と現れ増えていきます。暑さでグタっとなっているので可愛そうだなと思い、来るもの拒まずケージに入れてましたが、3匹目に来たカナヘビはメスでタマゴを持っていたんですね。ケージに入れたその日の内にケージ内にタマゴを産んで結構パニック。色々ネットで調べたりして対応したのですが、うまくいかなかった部分もあったりで2回に分けて産んだ7つのタマゴの内、無事に生まれたのは3匹でした。
しかし、環境作りから餌やり、脱皮やら産卵やら1シーズンかけて学ぶような事を1ヶ月ぐらいの中ですべてをやったような感じがします。面白かったけど。
で、あっという間にカナヘビが6匹になったわけだけど、段々拒食になってしまったのです。(餌はコオロギやクモなんかの生き餌。人工餌は食べなかったので)やはり、そこは野生の生き物ですね。個体差によって食べる物の好みも違うし、とても飼うのが難しい。人間様が思う以上のストレスを与えてしまっていたのかも。さすがに強制給餌するようなことは避けたかったので少し気温が下がってきたあたりですべて放しました。
で…ふと思うと何故か自分にレプタイルブームがやってきていました。(というか、世間的にもコロナ禍などの理由もあって結構流行っていたのですね。結構あちこちでイベントや販売会が行われているみたい)
近場で扱っている所は無いかな?と探したら我孫子の駅からすぐの所にアニマルショップ+カフェ&バー「パライゾ」というお店があったので奥さんと一緒に行ってみました。初心者ですのでペットとして飼いやすいものから始めるべきと思い、レオパードゲッコー(レオパ)か、クレステッドゲッコー(クレス)に絞ってお店の方に見せてもらいレオパ(メス、モルフはレインウォーター)のヤングぐらいのものを購入。
ちなみにパライゾさんは色んな珍獣がいて面白いカフェです。ある程度給餌に慣らしたものを販売しているし、親切に色々教えてくださるのでオススメ。
現在、飼育中。結構すぐに大きくなるのですね。肥満ぽくなってきたので食事制限と部屋の中で散歩(部屋んぽ)させてます。かわええ。仕事の合間の癒やしとなっております…
●今年良かったものなど
・iZotope Ozone 9(音楽関係ソフト)
マスタリングで使ってみたソフト。自宅で作業しているためヘッドホンで作業することが多く調整が難しい。そこでこれ。AIが曲を分析してEQやダイナミクスなどの補正をしてくれる。細かい調整は自分でやった方がいいけど、大まかにミックスやEQ調整の方向性が合っているかどうか確認することができるので助かる。今はVer10になったばかりかな。優れものだと思う。
・ARTURIA AUDIOFUSE STUDIO(音楽関係機材)
オーディオインターフェイスの動作が怪しくなってきたので交換。今年はコロナの影響もあって電子部品の供給不足になっており、各社製品が手に入れにくい。Cubaseを使っているので、順当に選べばSteinberg製品かもしれないけど全然なかったのでスペックをあれこれ睨めっこして、これを買ってみた。
基本はソフトシンセを扱うことが70%以上だが、ハードシンセの入力を多めに取りたかった事、以前と同様ラックではなくディスクトップの方が好み。基本マイク録りはあまりしないのでプリアンプにそこまでこだわりは無い。(録ってから結構エフェクターで調整するし)
実際、使ってみて操作周りがとても使いやすい。安定性も良い。(というか買ってから1度も不具合に会っていない)ヘッドホンが2系統ボリューム付きで出力できるのも良い。バンドルされている幾つかのエフェクトプラグインが良い。(これは後で全部買おうと思った)気になる点は発熱で筐体が熱くなるぐらいか。
○音楽
今年は、それほど新譜を買っていない。途中から何故か日本のプログレを聞き直し始め、ハマっているのは何故だろう。
・Brad Mehldau「JACOB’S LADDER」ジャズピアニストがプログレにアプローチした洒落た内容。Gentle Giant、Rush、Yesのカヴァーなども入っている。
・David Sylvian「Live In London ’88」ラジオ放送用音源かな。ほとんどブートレッグと言って良いが、そこまで音は悪くない。Secrets of the Beehiveの辺りのライブ。結構好き。
・Kaipa「URSKOG」70年代から続くスウェーデンのプログレバンド。とても複雑な曲と北欧独特のニュアンス。ボーカルが好みではないが、よく出来ている。
・MOONGARDEN「Align Myself to the Universe」イタリアのプログレバンドだが、昔はGenesisのトリビュート・アルバムとかで見かけたバンド。イタリアンプログレらしさはほとんどなくイギリスのバンドと言われても違和感はないぐらい。色々なものを取り入れている感じはあるのだが、このバンドの良さは用法ではなく曲。メロディーセンスが良いと思う。「A Vulgar Display of Prog」「VOYEUR」も良かったが、モダンなプログレとしてとても聞きやすい。
・The Damned「A NIGHT OF A THOUSAND VAMPIRES」2019年のThe Damnedのライブ。メインはBlu-Rayの方だけど。シアトリカルな演出でまさにサイケ&ゴスの世界。ファーストアルバムのようなパンクを期待すると少し違うかな。The Black Album~Phantasmagoria辺りが好きな人向け。
・日本のものは四人囃子、新月、北山真、カルメン・マキ&OZなどを聞き返していた感じ。
四人囃子をファースト、セカンドを中心に全般的に。中でも「四人囃子アンソロジー」という3枚組アルバムに入っている2008年のLIVE DVDはとても良かった。(当時のパワーとは違うがベテランぽい演奏)
新月は本来セカンドアルバムとなるはずだった「遠き星より(2015エディション)」が良かった。もちろんファーストアルバムの「鬼」は鉄板だろうけども。
その新月のボーカリストであった北山真氏が出した「冷凍睡眠 COLD SLEEP」や新月プロジェクトのものも新月が好きであれば順当なのだろうし、キーボードの花本彰氏と共に出した「静かの海」もプログレ度は低くなっても聞けるのは頷ける。
カルメン・マキ&OZは現キーボードの厚見玲衣氏がメロトロンを使っていることでプログレ者の再注目を集めているのかな?1枚と言われたらファーストアルバムなのだろうけど、私はセカンドの「閉ざされた町」「火の鳥」辺りが結構好き。
最近結構ライブをやっているので見に行くことも可能だと思う。最近のライブ映像も結構アップされている→これBlu-Rayで出して欲しいな。
あーっ!忘れてた・・・なんて言えない!本日、エムツー創立記念日で31年めに突入してしまいました。30周年中に何か用意せねばとか思っていたのですが、色々有り過ぎて何も用意できませんでした。すみません、すみません、本当に申し訳ございません。
そんな私もエムツーに身を置いてもうすぐ10年の月日になろうとしています。しかも更にもう少し居れば、今まで勤めたゲーム会社で一番長く在籍した会社になるわけです。John Wettonのように「日本ゲーム業界の渡り鳥」と呼ばれたかった私。でも、エムツー社にふらふらっと入社する時に堀井社長から「そろそろ腰を落ち着けてください」と言われ「渡り鳥だから」と訳の分からない事を言った私がどうです!落ち着いているでしょうw。
でも、本当におめでとうございます。エムツーのような滅茶苦茶な会社(褒めているんだよ)が30年以上続いているって凄いんですよ。他ではありえない!何かの間違いでも無い会社。有限会社エムツーに栄光あれ!
昨年末の書き込みで、ウブスナのデザイナーの募集をいたしました。早速応募があり、ほぼ決まりの状態になりましたので募集を締め切らせていただきます。ありがとうございました。
また、なぜか4Gamer様の方で記事にしていただいた事で、ご覧いただいた数も上がりました。応援記事として受け取らせていただきます。誠にご協力ありがとうございました。(カマキチクンの事とかも書かれていて恥ずかしいやら何やら)
最低限ではございますが、人数確保できましたことで、これから完成に向けて邁進していきたいと思っております。今後とも応援の程宜しくお願いいたします。
●2021年
2021年、皆さんいかがお過ごしだったでしょうか。前回、「クォース」の事を書いたのが、つい先日の事のように思えるんですが…いつの間にやら1年経っていました。
あの事を書き出して、これまでの自分が関わったタイトル群の事も振り返って書き留めておくのも悪くないかな?などと思ったのですが、そうなるとコナミの研修期に少しだけ関わったタイトルとかもあるし、クォースの終盤で手伝いというか、ねじ込まれて関わった「○○○○くん」なんていうプライズゲーなんかもあったりして「ん~、今にして思うと楽しい事も沢山あったけど、忌まわしい歴史も多いな」と思えてさっぱり筆が進まず…
今年は、別件でまた体調を崩したり(幸いコロナに感染することはなかったですが)、コロナ禍の影響もあって家からあまり出る機会もなく、厄介な事も多くて大変ではあったのですが、何とか普通に生きていられた感じです。コロナのワクチンも2回打ったし、オリンピックは開会式と閉会式以外は普通に楽しめたし、祭りや花火も無くなって残念だったし、日本の政府ってアレだよなとも思ったし…逆に、日本の民間ってアレだよなって思ったし…つまり、一般的に言ってアレだ…「普通」だったって事だ。
今年、一番楽しかったのって…「カマキチクン」と名付けたカマキリ達。
今年は、初夏から初冬までの間にウチのベランダに訪れたカマキリは十数匹にのぼります。来る度に何か食べさせたり、しばらくベランダや家の中で飼ってみたり。全然懐かないけど面白い奴らなのです。手を近づけるとファイティングポーズを取る奴、餌をあげようとしているのに激しくカマで抵抗する奴。とにかく上に登ろうとする奴。餌食べながらウ○コをボロボロ出すやつ。オオカマキリからハラビロカマキリまで結構個体差もあるけど、十数匹来たカマキリすべてに「カマキチクン」という名前が付いてるわけ。途中まで1号、2号とか付けてたけど多くてよくわからなくなりました。
そうそう、カマキリってゴキブリの仲間なんだね。足とか尻とか見ると…確かに似てるかも。
餌がない時は、ヨーグルトや少し茹でた肉を。外に出た時は、ついでに河川敷でバッタなんかを取ってくるんだけど…
Q.だだっ広い河川敷でバッタを必死に追いかけて捕まえている50代男性の姿ってどう見えるのでしょうか? A.怪しい人 B.怪しい人 C.怪しい人
でも、茹でた豚肉なんだけど、安い肉って食べないのよね。顔を「プイ!」ってするの!本当に!。お昼にセブンイレブンで売ってた「三元豚のカツサンド」ってちょっとだけお高いものを買ってきて柔らかいヒレ肉の部分だけをほじくり出してあげるとムシャムシャ食べるわけ。普段ウチで食べてる豚肉は質が低いのかよ!。そうですか。
凛々しい姿~バッタウマ~三元豚ウマ~日光浴で足繕いなお写真。
●ウブスナ UBUSUNA
今年はほとんど動きを見せておりませんが、これは広報的な判断でその様になっています。まだ発売の見通しの立たないものを今からお見せする事は、広報戦略として失敗につながる可能性が高いということですね。(早い時期からタイトルを広げられるメリットはありますが、発売までに飽きられる可能性や時間経過による購買意欲の消失につながるデメリットがあるからです)
ことに今の時代は情報の寿命も短い。Twitterなどの動きを見れはわかりますが、ゲームの新情報など2、3日でフェードアウトします。だから、よくよく考えて情報を有効活用したいという会社・広報の考えに異存はありません。その方針で動く事にしました。
もちろん、エムツー社の30周年に花を添えたい気持ちはありましたが、こればかりは仕方なし。申し訳ありませんが、まだまだお待たせしてしまうことになりそうです。
開発の方は、コツコツとですが続いております。なかなか確保出来なかったデザイナーも8月から1人参加してもらっています。「たった1人?」と言われるかもしれませんが、現状ではプロジェクトに合うデザイナーを見つける事も中々難しいですし、私も自分の作業をやりながらのディレクションであったり管理作業ですので、必然的に他を見る事のできる工数が限られます。
今回参加された方はゲーム業界の方ではないので、ゲームに組み込むモデルの技術・論理というのを始めから説明しなければならないのですが、参加してもらった理由として重要なのは、技術・論理以上に造形的なセンスの有無みたいなものなのです。技術や論理は作業が始まってから学んだり教えられても手に入れられるものですが、センスはその人の人生みたいなものなので、これまで生きてきた中でどれだけのものを見聞きして理解し、自分なりのフィルターを通して出力できるかが問われます。優れた技術と論理を持っている事と、良い絵(デザインや造形)を描き出す(生み出す)ことは別な事なのです。(これはプログラムやサウンドにも言えます)
無論、優れた技術と論理は「商品」を作る時に大いに役立ちます。ただ、それだけに傾倒するとどうなるか…結構、迷ったり、困っている人達もいるんじゃないかなとは思ったりします。個人的には今後何十年も待たずして、技術と論理から商品を導き出すことはAIとかの方に分があるって事になるのでは?とも思っていて、日本人の物作りのアイデンティティがどこにあったのかと考えた時点で既にそれは失われたと考えるべきなのかもしれません。
自分は既にオールドタイプの人間ですから、そういった意味でデザイナー1人探すのも苦労するのかもしれません。(「昔は良かった…」というのとはちょっと違うオールドですが)
8月から参加されたデザイナーさんにはオブジェクト関係の作業をデザインからモデル、テクスチャーの作業までやってもらっています。すでに自機などはゲーム上で表示されていますが、とても自然に馴染んでいます。
背景の方はゲーム全体のモデル構造やカメラワークなども含むので、私が自分でモデル等の管理しなければならないのですが、現在サウンドの方の作業もあり、なかなか進みづらい状態にあります。
ですので、背景用のテクスチャー素材を描いてくれる人がいると助かります。(素材集やアセットもありますがバリエーション等の問題で数の確保が大変)
もし、ここを見ている方でテクスチャー素材を描きたい方がいらっしゃいましたら募集したいと思います。素材としてなので、こちらで切り貼り、サイズ変更や更に書き込み、加工などして使うことを主な目的としています。ビルのテクスチャーを100種ぐらい描けるとか、メカニカルな壁を何種でも描けるとか、そういう作業に興味がある方がいらっしゃいましたら有限会社エムツーの方へ「ウブスナのテクスチャーデザイナー希望」としてメールしてください。
これは急募というわけではなく、私の方で管理対応ができる時間が空くまで待っていただく場合もあります。基本的には日本語が使える。フォトショップで絵が描ける程度は使えて、「テクスチャー」としての絵が描けること(写真からの加工も含む。画力はそれなりに必要)、ネットでやり取りができれば特に応募条件はありません。(選考に際して、作品提出等はしていただきます)作業条件などは色々と相談に乗りますので気軽にお声をかけていただければと思います。
また、”M2 Shot Trigers”の方からも色々なタイトルが出るみたいですので、そちらの方もぜひお手に取って遊んでいただければと思います。
●今年良かったもの
…と言いたい所なのだけど、今年はあまり趣味の物を買っていないし、見る暇もあまりなくてあまり書くことがありません。(シン・エヴァとかハサウェイとか要点的なものは見たりはしてますし、ヤン・シュヴァンクマイエルの「ファウスト」とか、4Kデジタル修復になった 「去年マリエンバートで」とかの古いものも綺麗な映像で見られるようになったので買ったり、君は「犬神家の一族」を一体何回買えば気が済むんだい?というものも買ったりはしてますが…(まぁ、LD以降、6回は買ったと思う。だって毎回色が違うんだもんブー。今回が決定版だと思いたい)
それと、去年の雑記で書いたイギリスのプログレッシブロックバンド”BIG BIG TRAIN”のボーカリストであるDavid Longdonが、事故のため亡くなったとの事です。「COMMON GROUND」というアルバムを出したばかりですし、来月には新しいアルバム「Welcome to the Planet」がリリース予定。とても残念です。ご冥福をお祈りいたします。
というぐらいです。(今年は何だかんだ、やる事が多くて31日の書き込みになってしましました。すみません)では皆さんコロナウイルスに気をつけて良いお年をお迎えください。
何だか懐かしい物が発売されたので、少しコメント。
1989年にコナミ(当時は「コナミ工業株式会社」)に入社後、配属されたチームで初めて作ったゲーム。(デザイナーとしてゲーム部分グラフィック担当でした)
誤解されている方もいるようなので正確に書くと、企画は当時チームリーダー兼、プログラマをされていた和田氏です。私にとっては社会人になってから唯一、直属の上司と呼べる人です。(その後は上司となるような人がいなかったか、社長が上司のケースがほとんどだったため)
なので、ゲーム作りにおいて「上司にものを教わる」という経験は和田氏のチームにいた始めの3年程度しかありません。
クォースにおけるシューティングパズルゲームの発想という意味で、私が後に作った「レイディアント シルバーガン」や「斑鳩 IKARUGA」への繋がりを指摘される方もいるのですが、私個人としてはあまり意識したことはないです。ただ、和田氏に教えてもらったゲーム理論的なものの影響は多かれ少なかれ、その後のゲーム作りにおいてもあったのではないかとは思います。
当時、東京の開発部が出来たばかりで、配属されたアーケードゲームの部署もまだ人が足りなかった事もあり、作業のやり方、ツールの使い方、データの取り扱い方など分からない事ばかり。
そんな中、クォースの企画は、まず「作りすぎて余っていた基板があるので、それを使ってできるような軽い企画」というオーダーだったと記憶しています。後から確認すると、この基板と完全に共通する基板というのは存在していないので、クォース用にカスタマイズされたところがあるのかもしれません。(詳細は失念)
当然、和田氏にとっては、自分以外のプログラマ1人、デザイナー3人、サウンド1人(もう1人参加されたサウンド:効果音はベテランの方)は、すべて新人であり、とりあえず研修込でという部分もあったのではないかと思います。
クォースの制作に入って、初めは「カッコイイ宇宙ものシューティング」のようなグラフィックという注文でしたので、リアル系メカのグラフィックで描いていました。しかし、ロケテストでは、あまりインカムも芳しくなかった事もあり、もう少し幅広いプレイヤーがプレイしやすいようにグラフィックの路線変更を提案。ちょうど大学の卒論(制作)テーマがサイケデリックアートとポップアートだったこともあり、ジョルジュ・メリエスの「月世界旅行」やルネサンス期(というか辞典の挿画のような)のペン画、ポップアートなどを混ぜてあのような世界となりました。
海外版の「BLOCK HOLE」の自機が宇宙船なのは、海外ではSF系の方が良いという指示からその名残として残ったものです。(背景もリアル系メカでも良かったのですが、容量が少なかったため、絵にバリエーションが出せないことで断念したと記憶しています)
そして、お披露目となったのは1989年の「AMショー」。奇しくも同時のお披露目は「グラディウス III」(1面のボスがワイバーンのバージョン)。グラディウスや魂斗羅に携わりたいとコナミに入った私もド新人でしたので、羨望の眼差しで苦笑い。それでも、結構プレイしてもらえてホッとした記憶があります。
実際、セールス的にも余った基板をすべて消化し、増産するまでの数を販売することができたそうです。
そして、この時に同じく新人デザイナーとして一緒だった高野氏が後年プロデューサーとなり、当時トレジャーで働いていた自分に声を掛けてくれてグラディウスに携わることになるのは、その15年後の事でした。(「グラディウス V」のTYPE-3装備のオプションがあの形になっているのは、「サンダークロス」の作者でもある和田氏に対する感謝の意でもあるのです)
※イラストは1989年当時に描いたイメージイラスト。(退色していたのでスキャン後修正)
●新型コロナウイルス感染症…
今年一年だけでも色々ありました。大変だったり、苦しかったり、怖かったり、残念だったり、何かに苛立ったり…ここを見に来てくださる皆さんも色々と大変だったのではないでしょうか。
もちろんそれによって見えたり気付いた事もあったから、必ずしも悪い事だけでもなかったようにも思いますが、コロナ禍は収束されないまま次の年を迎えようとしています。皆様が無事この苦難を乗り越え、来年は良い年となるよう祈ってます。
●ウブスナ UBUSUNA
先日、エムツーのYouTube配信で近況報告したので特記するほどの事はないのですが、少し補足しておきますかね。
今年はコロナウイルス感染を避けるため、ずっと自宅でサウンド関連の作業でした。プログラマは、ずっと他のプロジェクトのヘルプに行っているため進んでいません。(←念の為書いておきますが、これは会社維持のためにも必要な事ですので仕方ないのです。悪意で書いてるわけではないよ)今最も人手が欲しいデザイナーは外部の方を探して頼るしかないのですが、来社していただくにもコロナ禍の事を考えると挨拶にすら来ていただくわけにはいかなかったわけです。
まぁ、途中で他のプロジェクトを手伝ったりということもありますが、結構長いことやってます。「予算が無い分、さほど才能があるわけでもない分、低コストで時間をかける」ということでもあるのですが、大変お待たせしてしまい、申し訳ありません。ただ、こうして今回のプロジェクト関連で情報を出す時はできるだけ正直に状況をお伝えしたいと思います。
そこで、今年は本格的に音楽と効果音の作業に入ったのですが、ツールも結構な進化・変化をしていたりして新しいソフトウェアの扱いを憶えるだけでも結構お腹いっぱい。できることが増えるのはいいのですが、勉強することも増えてイヤ~んな感じ。
以前「斑鳩 IKARUGA」で曲を作った時は、ハードの内蔵音源(内部のサンプリング音源をMIDIデータで鳴らす)だったわけで、曲用のサンプル音の容量も確か1MBぐらいしか無かったのかな?それに比べて今回は普通にWAVファイル出力(圧縮するためoggになるけど)で鳴らすわけですから制限は無いようなもので、音の表現力は音源ソフト次第で一気に跳ね上がります。
2001年当時と比較しても、現在のソフト音源は恐ろしい進化をしていることに加え、価格も随分安くなっています。今回の音源はメインのオーケストラ音源の部分だけでも153GB(もっと多いソフトもありますが)…各楽器の奏法も色々あったり、きめ細かなコントロールが可能で、やることも格段に増えています。大変だコレ。
それでも私が曲を書く事の利点は、企画段階から背景(ゲーム進行)の設計や演出、カメラワークもやっている以上、どのような音楽や効果音を鳴らせば効果的か、どのようなニュアンスなのかが説明不要な点でしょうね。普通はそれを作曲者に伝えて曲を用意していただくのが一般的ですが、実は音楽の指示というのは思っているより難しいものです。コミュニケーション不足、伝えるのが下手と言ってしまえばそれまでですが…
例えば、映画でマフィアのファミリーを描くとして、兄が裏切り者の弟を殺さなければならないシーンがあるとします。銃口を弟に向ける兄の心理が「愛する弟を殺さなければならないため辛い」と設定した場合、その設定に対するサウンドトラック作曲のアプローチというのは人それぞれの歩んできた人生に左右されるわけです。つまり「辛さ」のイメージは、その人がそれまでに体験した事や見聞きしてきたものによって異なるということです。
そのため、この表現にチャイコフスキーの「弦楽セレナード」を思い浮かべる人もいれば、マーラーの「アダージェット」を思い浮かべる人もいるわけです。仮にどちらも正解である場合は「好み」という問題になるわけですね。
ディレクターをやられている方は必ず通る道かと思いますが、それを説明する手段に言葉や文章を使う分、なかなか論理的で的確な表現をすることは非常に難しいのです。だから細かいニュアンスに拘りが無い場合は自分の好きな作曲家の方に任せた方が良いし、その方が楽でもあります。
もちろん好みに合うまで何回もリテイクを出すディレクターさんもいますが…大抵はスケジュール的な理由で、そのまま通してしまうケースも多いかと思います。
更には、言葉巧みに素晴らしいマッチング状態まで持っていってしまうディレクターさんもおられるのかもしれませんが、少なくとも私には無理そうです。だから自分のイメージを具現化するには自分で作るしかないわけです。(それを音楽という形に変換できる技量があるかどうかは別の問題として)
そして、曲より重要な「効果音」。効果音素材、シンセサイザー、エフェクト、シーケンスを駆使して色々いじくり回しています。以前トレジャーという会社にいた頃は、村田さんという名効果音担当がいましたので任せっきりだったのですが、自分でやってみると様々な苦労をされていたことが手に取るようにわかってきます。
でも、効果音は画面や動作に上手くハマると大変面白い作業ですね。物を作っていてワクワクできることがまだ他にもあったんだと気付かされました。結構ゲームの分野で効果音というと地味なパートに見られがちで汎用素材集とかでポン出しして終わりとか、曲の邪魔になるからとあまり鳴らさない人も多いのだけど、もっと大事にしたほうがいい。
最近は曲を鳴らさなくても効果的な環境音や効果音があるならそれだけでもいいかもとさえ感じてます。
配信ではCHAPTER:01のBGM(要はステージ1の曲ね)を流してもらいました。まだ未見で興味がありましたら御覧ください。(以下の動画で1:39:27のあたりからになります)曲の大筋が変わることはありませんが、まだ細かい調整はしていないバージョンですので、完成時にはもう少し変わるかもしれませんね。
ウブスナの世界観・ストーリーなどについては、大体出来ていますがゲームプレイでは何が何だかわからないと思う(わからせる気は…無いです!)。もちろん、ストーリーがわかるようなオマケ(文章?)は入れるつもりですが、ゲームプレイ内でのストーリーテリングは最低限の所だけにしたいと思う。(あくまでもゲームだからね)
ストーリー文章的にはもう少し詳しく書きたいところではあるけど、今の状態でも結構長い…登場人物もシューティングのストーリーとしては多い。いやはや何でそこまでする?と言われそうだけど、最近は音楽やストーリーサイドからゲームに興味を示す方も結構いるので、どの項目も後先の事を考えてきちんとやっておく必要があるとは思っているんです。
それから上記配信の中でもチャットで「PROJECT RS」について触れている方がいらっしゃるのですが、PROJECT RSはトレジャーのものですからね。その続編を作るつもりはありません。単純にそれらを生み出した人が作っている新シリーズという認識でご理解いただきたいです。
プロジェクト名はあくまでもプロジェクト名にすぎません。PROJECT RSにしても今回のPROJECT UBSNにしても、その「定義」を知っているのは私だけですし。
後は…ポエム?(斑鳩でステージタイトルが表示される際、表示される文章の事)よく言われるんだけど…ポエム楽しみにしてます、とか…w。今はその言われ方にも慣れたけどポエムのつもりではなかったんだけどなぁ。イメージとしては漫画で「銀河鉄道999」ってあるよね?あれの各話の先頭と末尾にプロローグとエピローグにあたるような文章があるんだけど、それに近いものだったわけ。まぁ…ポエムでもいいけど。
フザケて書いてるわけではないんだよ?グラディウス∨の「ありえない、何かの間違いではないのか?」にしても真面目に書いたんだから。ホントに。シナリオを書く時は、パイロットの人物像、性格付けを設定した上で、その人物が言いそうなセリフを書くわけだけど、ビックバイパーT-301のパイロットは、アメリカのTVドラマ「BABYLON 5」に出てくるシェリダン司令官をモチーフにしてるわけです。BABYLON 5を見ていた人ならある程度納得してもらえると思うんだけどなぁ。この状況にこのセリフ。フザケてないよね?
で、自分としては普通に書いたものが何でこんな変なウケ方しているのかわからないわけ。まぁ、何にしても喜んでいただけたなら万事OKなんですけども。だからさ…ポエムもセリフもウケ狙って書いているわけではないわけ。そこんとこシクヨロ。(じゃぁ、まるで厨ニじゃないすか!とか言うな)
●個人的な事
茨城県の取手市に引っ越しました。とは言っても会社のエムツーは天王台ですので常磐線で1駅移動しただけですが…
コロナ禍以前から自宅作業で仕事することも多くなっていたのですが、機材の置き場所や作業をする上で手狭になったのが大きな理由。いつもは駅に近い物件ばかりを選んでいたのですが、今回は駅から少し歩く所にしました。田舎っぽくて自然もあってのんびりしています。
自然があれば、虫も多いわけで…ベランダには毎日入れ替わりで色々な虫がやってきます。カマキリ、カミキリムシ、カナブン、バッタ、蝶、トンボ、ハチ、蜘蛛、などなど。観察したり、いじったり…結構飽きないなw。
カマキリが来ればスプーンにヨーグルトを少しすくって差し出してみます。モシャモシャ食べている…う~む、なかなかにカワイイ奴。いらなくなるとカマでスプーンをパチンと弾かれる…う~む、なかなかにカワイイ奴。
ベランダをホウキで掃除…そのホコリを落とす為に、ホウキを回すようにパタパタと振ると「サッ」とアゲハ蝶がよって来る。人懐っこいアゲハだな~なんて思ってたらそれは違ってた。そう、蝶のテリトリーでホウキを振ることで他の蝶々と勘違いされて威嚇されていただけでした…。蝶に威嚇される俺…う~む、自然界とは。
夏、ベランダの壁に泥の塊が付いてるなぁとよく見てみるとトックリバチの巣。泥で「徳利」のような形の巣を作って中に卵を産み付け、越冬時の幼虫の食べ物として麻酔で眠らせた芋虫を運んで来ては中に貯めておく…つまり後で巣を壊す時にはグロ画像注意な案件。
観察をしているとクソ暑い夏の日差しにめげず、何度も巣とどこかを往復するわけです。数日後、巣の準備が整うと徳利の口部分を塞いで固め、律儀に巣を守ってる。(蜂は刺されると痛いので好きではないですが、ネットの情報ではトックリバチはこちらから危害を加えなければ特に危険でもないという事だったので放置してました)
そしてある日、巣の下でもがくように動いている親蜂を見つけました。かなり暑い日だったので頭のそばに水を垂らしてあげるとチュウチュウと水を飲んでいましたが、やがて死んでしまいました…。なんだか、無情感漂う。けど、これが摂理だよなぁと妙に納得しちゃったり。
後日、この巣は破壊しましたが、その時すでに巣に穴が空いており、中の芋虫は入っていませんでした。別の蜂に取られちゃったんですかね…
という感じで、仕事の合間にこんな小宇宙を楽しんだりしてます。
そういえば、「取手」に引っ越して思った事。水道水が「臭い」「不味い」「料金が高い」。東京や千葉では感じませんでしたが、コーヒーやお茶を呑んだだけですぐにわかる臭さ&不味さ。(カルキ臭ではない)
マンションの浄水槽のせいかなと思ったが、駅の近くの歯医者に行った時に口を濯ぐために水を含んだら同じ臭いと不味さだったので、あぁこれが取手の水なんだと理解。
以前、取手に引っ越した知人も言ってたような気がするけど、取手は浄水器が必須です。改善希望>取手市様
●今年良かったものなど
・BIG BIG TRAIN:REFLECTORS OF LIGHT (Blu-ray)
・BIG BIG TRAIN:EMPIRE (2CD+Blu-ray)
イギリスのプログレッシブ ロック バンドBIG BIG TRAINのライブビデオ(Blu-ray)。プログレとしても色々なバンドの影響を感じますが、主にGENESISの影響が強いと言っても差し支えないと思います。特に2009年に加入したボーカルのDavid Longdonの声は素でPeter Gabrielの声質にそっくりで、よくあるボーカル脱退後の後釜や、そっくりさんのような無理して似せているのとは異なり、非常に自然。不思議と比較する気も起こらないぐらい自分のものになっていると思う。バンドとしてもDavid Longdonや、元XTCのギタリストのDave Gregoryが参加した「The Underfall Yard」を転換期として大きく前進したバンドだと思う。
聞き始めこそGENESISっぽいなと思いますが、ブラス隊の存在が独自のアイデンティティを築いてきていると思います。それでもGENESISの時代からMELLOTRON+TAURUS BASSの組み合わせは未だに至高のサウンド。
「REFLECTORS OF LIGHT」は2017年のライブ(同内容のCDはMERCHANTS OF LIGHTとして既発)「The Underfall Yard」から「Grimspound」までから上手くチョイスしてあり、ベスト版としてもいい内容。
East Coast Racer
https://www.youtube.com/watch?v=zousDQ_xgVY
Victorian Brickwork
https://www.youtube.com/watch?v=EY2sxIuME-Y
「EMPIRE」は現在最新アルバムである「Grand Tour」を中心とした2019年のライブ。こちらも内容がとても良く感動的。
Brave Captain
https://www.youtube.com/watch?v=83nivAtleOk
Voyager
https://www.youtube.com/watch?v=s53UlcDc0hs
・ARTI & MESTIERI ESSENTIA:JAZZ ROCK LEGENDS LIVE IN JAPAN(2CD+DVD)
イタリアのプログレッシブ ロック バンド、アルティ・エ・メスティエリ・エッセンティアとしての2019のライブ2CD+DVD。以前にもライブ版を取り上げたと思うけど、今回はボーカル無しなのでエッセンティア?
DVDも思ったほど画質は悪くはない。…が、やっぱりBlu-rayがいいなぁw。後はやっぱりLIVEのビデオで曲間の歓声中にフェードアウトって「無し」だと思うのよ。思いっきり冷めちゃうんだけど…価格も安くないので商品としての完成度を上げていただきたいなぁ。
演奏は素晴らしいし内容も楽しめる。Furio Chiricoのドラム見てるだけで幸せ。(若干、リズムキープが不安なところもあるが、イイ!)
La Luce In Fondo Al Tunnel
https://www.youtube.com/watch?v=9d-VG8PufIo
2 minutes video clip
https://www.youtube.com/watch?v=EqB7-7XyGDQ
・人間椅子 – 帰ってきた人間椅子倶楽部~配信ライブ編~
古くは「イカ天」でねずみ男の姿が思い出されますが…今は和服でメタルな感じ。最近ではアニメの「無限の住人」で主題歌やっていたから知っている人もいるのでは?
YouTubeで配信したスタジオ(?)ライブの模樣。初めに配信した時のものから編集されて曲数も減ってしまって少し残念ですが、十分楽しめますよ。シャバダバディア…
2021年1月11日までの期間限定のアーカイブ配信
https://www.youtube.com/watch?v=ERMe1PWGxTg
それでは皆様、良いお年をお迎えください。
2019年は令和の時代に入りましたが、特に何事もなくコツコツと予定を消化する日々を過ごしてました。来年は来年でオリンピックを始めとして色々ありそうだし、見たい、聞きたい、読みたいものなどが結構控えているので、もっと時間が欲しいなぁという贅沢な悩みを抱えております。
●ウブスナ UBUSUNA
今年は下記の動画に出たり、雑誌にコメント書いたり、割と色々とあったとは言えるんだけど、まだ外部にハッキリとしたアピールが出来ない事もあり、待ってくださっている皆様にとっては少々モヤモヤしたかもしれないですね。作っている私も出せる情報が無くてモヤモヤしていたのですが…
現在の進捗具合をお伝えすると、ラスボスのアレとアレとアレをくっつけてナニしている最中。全ステージを通してゲームの全体像も見えてきましたので、来年からは本格的にグラフィックやサウンド関係の作業に入れると良いなぁと考えている所です。
これからデザイナーを紹介してもらったりという所からのスタートであるわけですが、昨今、Sci-Fiでメカニックで…という条件はなかなかアレがナニで敷居が高いようです。やる気も必要ですが、それなりに手間も掛かる仕事ですので、まだ結構な時間が必要ですね。
まぁ、技術的な手間、量は今までの制作経験の中でも最大値だと思うのですが、この段階に至るまでデザイナーが自分1人で、他の作業と兼業だったのも初めてではあるのです。細く長い道のりで少々くたびれたというのはありますが、時代に逆行したやり方ではあっても、その方が私やウブスナにとって良い事であると堀井社長は感覚的に判断しているのだと思います。
何か動きがあればエムツーの広報や、このページからもお伝えする予定ですのでお待ち下さい。また、エムツーショットトリガーズのアレやナニなど、ラインナップも続々増えていますので、そちらも要チェックだよ!
●今年良かったCDなど
・The Flaming Lips : Soft Bulletin Live At Red Rocks (CD)
The Flaming Lipsが2016年におこなった1999年作の名盤「Soft Bulletin」再現ライブ。オーケストラと共にクワイアが加えられ、一回りスケールが大きくなったサウンドが楽しめます。ライブ音源としての編集がイマイチな所がありますが、楽曲が好きであれば気にならないかと思います。生のオケと一緒に演奏してはいますが、相変わらずラウドと言うか歪んだサウンドをブチ込んで来ます。一般的には音の良し悪しに賛否あるかもしれませんが、こういうものでしょ?コレ。
・Steve Hackett : At The Edge Of Light (CD+DVD)
Steve Hackettの新作アルバム。オーケストラサウンドを多く取り入れ、中々シンフォニックな良作だと思う。これで起承転結がしっかりした20分ぐらいの大作曲を作って欲しいが望みすぎだろうか?
また、今年はGenesis Revisitedとしてのライブ盤「Genesis Revisited Band & Orchestra: Live at the Royal Festival Hall」もリリース。Genesisの曲とソロの曲をオーケストラと共にプレイ。The Steppesはオーケストラとバンドのバランスとしてベストパフォーマンス。いまだにGenesisの楽曲を聞ける事と、まとめ上げるだけでも大変だったであろう事からも感謝感激なことである。
・Banco Del Mutuo Soccorso : Transiberiana (CD)
PFMなどと共にイタリアンプログレのベテランバンド「バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソ」まさかの新作。2000年代もライブ活動はしていたのですが、2014年にボーカルのFrancesco Di Giacomoが亡くなったこともあり、新たなボーカルにTony D’Alessioを迎えて作られたようです。アルバムは何年ぶりだろうという感じだったのですが、安定の演奏と独特のイタリアンプログレらしさは健在です。ファーストアルバムの「R.I.P」や「Il Giardino del Mago」のようなロマンチックな情緒性と比べるとカラッとした印象ですが、悪くないです。
・U.K. :Night After Night Extended (2CD+Blu-ray Audio)
U.K.の1979年の日本でのライブアルバム「Night After Night」の未収録だった曲を追加、リマスターしたもの。曲順は微妙なようですが、上手く編集されライブの全容がほぼ収められたのは有り難い。演奏もエネルギッシュ。
●その他
もう、見てない映画や本が山積み。そんな中でも、昔の(主に50年代~70年代)Sci-Fi映画や小説が見たく(読みたく)なって色々と漁って見てましたが、SFに詳しい人からすれば今更アレとかナニですか?と言われそうなタイトルばかりだと思うので割愛。
それでは皆様、良い年をお迎えください。
今の自分にとっては取材やインタビューなどのストレスが色々な意味で身のためにならないことから、できるだけ受けないようにしています。
「え~?井内さん程の人がそんなこと」とか言われて意外と理解してもらえない場合が多いのですが・・・沢山の事を同時に考えて仕事をするような生活を長いこと続けていることや、歳のせいなんかもあって、脳と体が実にシンドイ。(こうやって、ゆっくり物書きする分は、まだヘラヘラしてますが)
また、自分が以前やってきた仕事や所属していた会社に関する事などはNDA(守秘義務契約)などもあるので、取材等があっても極力触れないのが基本。言えても氷山の一角程度しか喋れないものです。大抵はNDA関連の事を取材相手に伝えると、それ以上は話が進展しない場合が多いです。
そのような中、ドキュメンタリーを制作してネットで動画配信している方々からインタビュー依頼がありました。ドリームキャストについてのドキュメンタリーを制作していて、「斑鳩 IKARUGA」の開発者として取材したいとの事・・・
いつもと同様に「以前の会社で作ったタイトルはNDAの件もあるので・・・」ということでお断りしたのですが、その方々は株式会社トレジャーと交渉してOKを取ってきました。
その“Archipel”と名乗るフランス人の方々は、これまで多くのゲームやアニメ、マンガ、音楽、文化などに関わる人達のドキュメンタリーを制作し、”TOCO TOCO”などのシリーズタイトルでYOUTUBEにアップしています。以前制作したドキュメンタリーを見て検討して欲しいとの事でしたので、いくつか見てみました。なるほど本当に良く出来ています。(センスの良いイメージカットにモノローグ的な形でインタビューを進行。静かな呼吸感のある構成。さすがフランス映画のお国の方々、オッシャレ~)
好きで制作しているとはいえ、これだけの数の優れたドキュメンタリー映像を作り、YOUTUBEで誰でも見られるように配信しているのは大したものです。そこで、一度付き合ってみてもいいか・・・と思ったのが間違いw
無理ネ!、ヤッパリ ボクニハ向イテナイョ。オナカイッパイ・・・
誤解の無いように言っておきますが、Archipelの方々は何も悪くありませんよ。それどころか、あのインタビューをよくぞここまで良いように見せてくれたと感謝してます。アリガトウ!
今回はドリームキャストについて、色々な方へのインタビュー。結構長尺なため、前・後編に分けたとの事ですが、良いドキュメンタリーに仕上がっています。他のドキュメンタリー作品も含めて、沢山の方に見ていただきたいと思います。
国内での話になりますが、平成の時代も今日で終わりを迎えました。実はこれを機会にこのページも終了しようかと思っていたのですが、NOTEBOOKを残して規模を縮小する事にしました。
NOTEBOOKへの書き込みは今までと同様、年に数回するかどうかという感じになると思いますが、メール対応やその他のコンテンツは終了とさせていただきます。大変申し訳ございませんが、ご理解いただければと思います。
平成の始まり(1989)と共にビデオゲームの仕事を始め、30年が経ちました。ろくにコンピューターなど扱えもしなかったグラフィックデザイナーが遠くまで来たものです。駆け出しの20代から、身心ともにポンコツになった50代に至るまで、色々な意味で楽な仕事は無かったように思います。ですが、物を作る事の楽しさだけは意識の中であまり変わらず、それが今日までこの仕事を続けて来られた要因となっている気がします。
この30年でのハードウェアやソフトウェアの技術進化も早く、1つのハードで複数のタイトルを作れたケースはあまり多くありません。
16色のパレットで絵を描くドット絵に始まり、次第に色数や解像度も上がり、3Dポリゴン、そして更にそのスペックアップへと変化してきました。
そうしている間にも、グラフィックデザインから始めた私の仕事は、ディレクター、プランナー、サウンドと増えていき、いつの間にかプログラム以外の「何でも屋」になっていました。
思い返せば長い道のりのようにも感じますが、それぞれのプロジェクトの事を振り返ると、昨日の事のようにも感じるのです。
本当は平成の最後に「ウブスナ UBUSUNA」をリリースして終わる事が出来れば良かったのですが、上手くいく事もあれば、上手くいかない事もあり……(単純に仕事量が多すぎて手が回らないだけとも言えるのですが)30年やってきていてもそれは変わらず、空っぽの頭脳とポンコツの身体に鞭打ちながら新しい時代を迎えようとしています。
明日からは令和の時代。皆にとって良い事があるといいですね。今後とも宜しくお願いいたします。
今年は特に変わったこともありませんでしたが、平凡という非凡が一番いいと思う今日この頃。もう少し情報発信できればいいとも思うのですが、歳と共にどんどん書き不精になってしまっております。
去年末に書き込みした体調に関しては、通院と薬で何とか最低限維持できています。ご心配をお掛けしました。
また、今年は平成最後の年となるようですが、平成の始まりと共にこの仕事を始めた自分にとっても、ある意味一つの節目なのかなぁとも思ったりしてます。それでも辿ってきた時間を振り返る気にならないのは、消化リストからアイデアストックが消えないためなのか。ただ欲深いだけなのか。さてはて……
ただ、有難いのは歳を取って、あまり深く考えたくなくなってきていることかw。自分にとってこれは良いことだけどね。
●「ウブスナ UBUSUNA」について
開発の環境、状況というのはあまり変わっていませんが、少しずつでも前には進んでいると言って良いかな?とは思います。
進捗については、今年11月におこなわれた会社のイベント「エムツーショットトリガーズ 弩感謝祭」の関連記事等でご覧になった方もいるかと思いますが、ゲーム自体は普通に動いており、普通に遊べる状態です。(当然の事ながら、まだ完成レベルではありませんが)
プログラムの作業については、仕様に合わせて各ステージを構築しながら面白さの精度を上げる作業を繰り返しています。
現状での最大の問題はグラフィックです。いくつかの会社や人にアプローチしましたが、担当していただくまでには至っておらず、これまでデザイナー(モデラー)を確保する事ができていません。
そのため、現在はオブジェクト、背景ともに雰囲気が分かるレベルで仮モデルを作成し、ゲーム側の制作を先行させる方法を取っています。(つまりはゲーム部分を先に作ってしまおう、ということで進めているわけです)
ですので、グラフィック素材については、ほとんどが未完成の状態です。リソース制作としてかなり手間暇が掛かる部分でもあることから、今後発売時期に関して大きく関わっているのは、この辺りの人材を上手く見つけられるかどうかですね。
同様にサウンドもまた重要なファクターとなるわけですが、こちらも方針は決まっているものの時間確保という面でなかなか難しい課題になっています。
ただ、ウブスナを作っていく上で何をどうすれば良いかということはある程度分かっていて、社内でもある程度の理解をいただけているのかなとは感じています。(開発が長期化してしまい申し訳無いと思うと同時に、協力いただき感謝してます)
また、何年掛かっても待っていると言ってくださる皆さんのためにも、何とか良い形でゲームを完成させたいと思ってます。あとどのぐらいとも言えないのが辛い所ですが、何卒お待ちいただければと思います。
今年良かったもの(今年はライブビデオと昔の映画だけだよ)
●Live Video
・Opeth:Garden Of The Titans Live At Red Rocks Amphitheatre(Blu-ray+CD)
スウェーデンのプログレッシヴ デスメタルバンド “オーペス”の2017のライブを収めたビデオ。
最近のアルバムではデスボイスが使われなくなってきていますが、このライブのセットリストは中期以降(Deliverance以降)からまんべんなく選曲されているため、プログレとデスメタル、両方のオーペスを楽しむことができます。また、会場となっているレッドロック野外劇場(アメリカ)の風景は凄いですし、オーペスのビデオとしても初のBlu-rayですので、画質も良いです。ダークなロックがお好きならお勧め。
・Änglagård:Live Made In Norway(Blu-ray)
こちらは2017に発売済ではあったのですが、オーペスと同様スウェーデンのプログレッシブロックバンド “アングラガルド”の2015年のノルウェーでのライブビデオ。現在ちょっと入手困難。NTSC方式らしいのですが、なぜか秒間25フレームというPAL方式のフレーム数で収録(部分的にかもしれないが)されているため、国内Blu-rayプレイヤーでは再生不可です。PS4では再生可能。
内容はこれまでの3枚のアルバムから上手く選曲されています。会場が狭いのでカメラワークと呼べる部分はあまりないのですが、演奏内容はファンなら申し分ないかと思います。
北欧のバンドの独特な雰囲気や、基本的にインスト曲なのでロックというよりクラシックを聞く感覚に近い分、評価は分かれるバンドかと思うのですがプログレ好きにはお勧め。
・YES featuring Jon Anderson・Trevor Rabin・Rick Wakeman Live At The Apollo(Blu-ray)
元YESのフロントマンとも呼べる3人によるバンド。名前に関して本家とのゴタツキも聞こえてくるけど、あまり”YES”という名前に拘らなくてもいいんじゃないかなと思う。ARWでも伝わるよ。
無論3人とも年は取っているのですが、ドラム、ベースのリズム隊になかなか良い若手プレイヤーを起用しているので、ノリも良く演奏も安定しています。Jonの声も衰えを感じない上に、以前より丸みのある声質で安心して聞けます。セットリストはあまり面白みを感じなかったのですが、見てみると結構いいバランスかも。それでもAwakenのハリウッドサントラみたいな感じは賛否あるかな?新しいアルバムを作っているとも聞きますので期待。
●映画
・Une Aussi Longue Absence:かくも長き不在(Blu-ray)
久々にモノクロの映画が見たくなって物色。アンリ・コルピ監督の1961年フランス映画。
戦後のフランスでカフェを営む女が、店の外を歩いていたホームレスの男を見て驚く。その男は戦時中にゲシュタポに捕らわれ行方不明になっていた夫にそっくりであった。
だが、その男は記憶を失っており、女はその記憶を取り戻してもらおうと色々な手を使ってアプローチするのだが……といった物語。
実は昔見たことがあるが、良かったという記憶の割に内容がうろ覚えになってしまっていました。この度Blu-rayで発売されたので購入。フランスの風景、ゆったりしたメロドラマ展開から、ラスト付近で急激に現実に戻される切なさと衝撃は絶妙。
・The Pawnbroker:質屋(Blu-ray)
こちらも1964年のモノクロ作品。「十二人の怒れる男」や「セルピコ」のシドニー・ルメット監督の作品。
ナチス強制収容所での恐怖体験で心が冷え切った男が営む質屋の話。人間らしさを取り戻していく葛藤を描くのですが、オチらしいオチがないので最後はポカンとしてしまうかもしれません。ただ、そこに至るまでの人間模様は、後からジワジワと来る感慨深いものがあります。途中、出てくるマンション群のカットにSF映画的な絵面があったりしてハッとしたり……Quincy Jonesの音楽も良いですね。
今年、CDでピンときた物はあまりなかったですが、The Damned:Evil Spiritsは良かったです。TVドラマはdele:ディーリーが良かったですね。本も電子書籍に変えてから結構読む機会が増えたのですがバカバカ読んでいるとあっという間にお金がなくなるので最近控えてます。
大分寒くなりましたが、風邪などひかないよう皆様良いお年を~。
さて、2017年も終わろうとしております。毎年、年末になると時間が過ぎるのが早いと言ってばかりですが、はっきり言って老害ですので気にせんでください。
今年は、またしても体がボロボロになって、ろくな事がありませんでした。
以前から抱えたままの中心性漿液性脈絡網膜症が悪化し、視界の半分近くを失ったり・・・突発性難聴で左耳が聞こえなくなってしまったり・・・
そんな中、以前から懸念されていた肝臓の数値(γ-GTP)が異常な数値(通常は18-66程度が基準値なのですが1000を超えました)をたたき出したため緊急入院。
ここ数年は、健康診断で少し数値が高いという事で、何軒かの医者に掛かって調べてもらってはいたのですが(酒も飲んでないよ)、数ヶ月かけてMRIから何から検査ばかりされて検査費を搾り上げられた挙句「わからないなぁ」「数値はちょっと高いけど特に問題は見当たらないね~、大丈夫ですかね」「うちではこれ以上の施設が無いんで他の病院紹介します」なんて言われて3つ目の病院へたらい回しされた矢先の事。仕事も山積み状況でこんな状態だから、正直応えました。
今現在は、どの症状も大分回復しましたが・・・もうね、しゃーないっすね。
●ウブスナ
以前ここに書いた、諸事情により発生した別プロジェクトは先日終了しました。・・・が、担当プログラマが続けて別プロジェクトのヘルプに呼ばれ、しばらく戻れない事になった為、またしても宙ぶらりんな状態です。人員もいませんし、仕事が山積みなのは変わりありませんので個人単位で進められる部分は継続していますが、全体の見通しとしてどうなるかは分かりません。
正直、会社全体の話としても、このプロジェクトを進める気があるかどうか疑問な状態ですので、私としても今は何とも言えない状態です。本当に申し訳ない。
★恒例というわけでもないですが、今年良かったものなど・・・
●CD
・arti e mestieri : Live In Japan – The best of italian rock
イタリアのプログレッシブロックバンド、arti e mestieri (arti & mestieri)2015年クラブチッタでのライブ。CD2枚組の中身は以前リリースされたものと同じ。今回は「Universi Paralleli」(2015)のライブの部分をDVDに収録して、再リリース。
「Universi Paralleli」のライブ音源が欲しかったので購入。映像としては3~4つ程度の定点カメラ映像を編集したものですが、ライブ映像としてアーチスト側の資料映像的なものですので画質も悪いです。普通に3枚目のCDとして音源収録して欲しかったと思う反面。やはりFURIO CHIRICOのドラミングは素晴らしいので、画質が悪くとも映像で見る価値はあります。演奏は言うまでもなく素晴らしいです。
・The Enid : Live In Tokyo 2016
Robert John Godfrey率いる英国プログレッシブロックバンドThe Enid。70年代から活動しているバンドですが、2016年に初来日となった東京でのライブ。CD4枚組でIn the Region of the Summer Stars (1976)とAerie Faerie Nonsense (1977)の再現に、最近の曲を織り交ぜながら2日分の公演を収録。お値段も張りますので完全にファン向きですが、内容は良いです。
・・・が、曲が終わるごとにフェードアウトするので、ライブアルバムとしてはいかがなものかという感じは否めないです。最近は歓声や会場の音を消したライブアルバムを出すバンドがありますが、私はあまり好きではありません。ですので、ライブアルバムとしては2015年の「Bridge Show Live at Union Chapel」の方が完成度が高いです。
また、今年は残党w3人組による「Resurgency」が発売されました。すべて2000年代以降の既存曲をアレンジしたもので、ロック色も強くなり悪くはありませんが、ベーシストを入れたらもっと良かったでしょうね。
・Radiohead : OK COMPUTER OKNOTOK 1997 2017
Radioheadの名盤「OK COMPUTER」(1997)のリマスターにリリースされていなかった曲を集めてCD2枚組でリリースしたもの。音響的なもののみならず、憂いを帯びたメロディのセンスも素晴らしい。「Paranoid Android」「I Promise」「Man Of War」「Lift」のように、何とも言えない世界観に満ちたPVもあるので、興味があればYoutubeなどでご覧あれ。
・King Crimson : Live in Chicago 28 June 2017
言わずもがなKing Crimson。2015年から発売されたいくつものライブアルバムがありますが、最近は昔の曲を今のラインナップで演奏するという趣向ですし、Jakko Jakszykのボーカルが肌に合わずあまり好きではありませんでした。 (特にStarlessとかは・・・)
今回もその感覚は変わらないのですが、演奏から感じられる熱量や「Lizard」「Islands」時代の曲はJakkoの声にも合っていて良いです。80年代の「Neurotica」も今のラインナップに合った良いアレンジになっています。新曲はTransatlanticというかneal morseみたいだけど。
Official Bootlegということではありますが、バランスも含めてライブらしいですし、音が悪いということはないです。
・John Wetton : AKUSTIKA – LIVE IN AMERIKA / AKUSTIKA II – RETURN TO AMERIKA
悲しいことですが、今年亡くなったJohn Wettonの1995年のライブ(以前出ていたCDのリマスター)に2005年のライブ音源を追加したもの。バンドではなくアコースティックに近いライブですが、John Wettonの魅力を感じられるいい音源です。2005年のライブはあまり聞きやすい音ではありませんし、調子も良くない感じですのでおまけのアーカイブと思った方が良いです。
●本
・世にも不思議な怪奇ドラマの世界 : 山本 弘 (著) 尾之上 浩司 (監修)
1959年から放送されたアメリカのTVドラマ「One Step Beyond」(邦題:世にも不思議な物語)と「The Twilight Zone」(邦題:ミステリーゾーン)のガイドブック。比重としてはThe Twilight Zoneの方を重点とした内容。時代背景や各話のあらすじ(オチまでは書かれていません)に至るまで結構濃い内容で面白い。
日本ではThe Twilight Zoneの全話を収めたBlu-ray Boxが発売されていないため、輸入Blu-rayを購入するような方々にはありがたいガイドブックになるのではないかと。
来年は良い年になる事を祈りつつ、皆様良いお年を。
●Stick Men with Mel Collins 2017/02/20
Billboard Live Tokyo , 2nd stage
Billboard Live Tokyoに行くのは初めてでしたが、Stick Menのライブに行ってきました。(本当は去年のKeith Emersonの時にね・・・)
「ふう~ん」って思うかもしれないけど、ちょっとだけ勇気いるんだよね。だって六本木のオシャレなライブハウスでディナー食いながらプログロックのライブ見るなんて・・・ありえねーって思ってたもんw
でも、せっかくなので奮発して、4階(ステージは3階)ど真ん中のDXシートDUOの予約してみたわけだけど、いいわ~これw。
普通の座席なら4人分ぐらいの広さの区切られたブースだけど、L字のソファーに2人でゆったり座ってメシ食って、結構近い距離でミュージシャンの演奏を見られる。
しかも、見たいと思っていた「STICK MEN」のライブ。あぁ、こんなチャンス2度と無いかもな~なんて感慨に浸りながら至福の時間を過ごしました。
去年の年末に発売された「Prog Noir」のツアー(?)になるわけですが、今回はゲストとしてMel Collins(sax,flu)が参加。4人中3人が現King CrimsonのメンバーというProjeKct状態。サウンドも演奏も非常にテクニカル&パワフル。
セットリストもProg Noirからお気に入りの「Prog Noir」「Mantra」「Schattenhaft」、King Crimsonの曲も「Industry」「Sailor’s Tale」「Level Five」と聴けて大満足。欲を言えば「Absalom」なんかをやってほしいけど、最近はあまり演奏されないようで。
終了後のサイン会で、Pat MastelottoとMarkus Reuterに「Hi!」と声を掛けられてドギマギする妻を笑いながらも、ろくに気の利いた英語も喋れない自分に「Thank you~」と言いながら握手してくれたTony Levin。ありがとう。70歳でこんなにテクニカルなロックしてるんだから見習わないとなぁ。ホント。
今回は、21日のライブがCD化されるそうですよ。
Set List
・Soundscape : ???
・Schattenhaft
・Industry
・Plutonium
・Mantra
・Prog Noir
・Improv : ???
・Sailor’s Tale
・Level Five
・Open , Pt. 3
自分の中では、プログレ界最大の悲報と言っていいレベル。去年からtwitterの情報でこんな日が来るのではないかと感じてはいたのだけど、何とか生きててほしかった。
仮にもう歌うことはなかったとしても、去年のクリスマス前に掲載されたRobert Frippとの写真のように、たまにその姿を見せてくれるだけでもよかった。
自分にとって実在するヒーローであり、沢山の影響も受けた。自分が学生の時に作った音楽なんか、彼の影響が至る所にあったことを今でもハッキリ思い出せる。
これまで40年近くに渡ってその音楽を聴き続けてきたし、これから自分が死ぬまでも聴き続けるんだと思う。最高のメロディセンスと素晴らしい倍音を含んだ歌声。
Fenderのガリガリに歪んだベース。King Crimson、U.K.を経てASIA、そして数多くのSolo作品まで、これからも自分にとってNo.1ボーカリストであり続けるのだと思う。
Mr.John Wetton 安らにお眠りください。
明けましておめでとうございます。
2016年の総括を昨年中にアップしようと思っていたのですが、何かとバタバタしている内に、年明けの挨拶と一緒になってしまいました。
昨年中、お世話になった方々、ありがとうございました。今年もよろしくお願いいたします。
●2016年
自分の身の周りから、自分にとってのヒーローと呼べる人達まで、沢山の方々が亡くなった年となりました。同時に、自分の死というのも他人事に感じられないような歳になってきた分、色々な事を考えさせられた年でもありました。
よく聞いていた音楽の世界だけでも、David Bowie、George Martin、Keith Emerson、Greg Lake、Isao Tomita。まさか、Emerson Lake & palmerから2人も逝ってしまうとは・・・
自分がプログレッシブロック好きなのは、このページをご覧の方々はご存じかと思いますが、特にシンセサイザーを扱うキーボードプレイヤーの先駆として、Keith Emersonの存在は大きく、1ヶ月後には来日の予定もあっただけに本当に残念でなりません。
幸いなのは、これからも見聞きできる「物」や「音」を残してくれたことでしょう。それらは、同時に物を創る事の意味を教えてくれるわけで、創り手にとっても、受け手にとっても、創った物がそのような意味を持てたとしたら、それはそれは幸せな事だろうなと思います。
亡くなった方々への感謝と共に、お悔やみ申し上げます。
●「ウブスナ UBUSUNA」
多分、ここを見に来られる方々としては、これが一番気になる事なのだろうと思うのですが・・・
現在、諸事情により別プロジェクトの仕事が発生したため、開発を一時中断しています。この仕事が終了次第、開発再開の予定ですが、現状では開発進行上の大きな問題も抱えているため、まだまだお待たせすることになりそうです。長い間お待たせして大変申し訳ありませんが、ご理解いただければと思います。
素っ気無いお知らせで申し訳ないのですが、これが現状でお伝えできる範囲です。
★今年、良かったものなどを・・・
●APP
Steinberg : Cubasis 2
IK Multimedia : SampleTank 2 for iOS
iceGear Instruments : Mersenne Melodic Percussion Synthesizer
KORG : ARP ODYSSEi
音楽制作というか、道楽というか、音楽制作環境をiPadに移してみたわけです。細かい部分はPCにかなわないけど、最近は結構良い感じになったんだよね。アナログシンセなどの機材は、まだ持っていたいとは思うけど、iPadで寝っ転がりながらシーケンスを書き込んだりできるのはイイですなぁ。
アプリが安いからって、また積みゲーならぬ、積みシンセするのかね?・・・いえいえいえ、そんなこと致しまス。
●映画
・シン・ゴジラ
ただ単純に面白かった。シリアス路線で自分が見たいと思っていたようなゴジラ映画でした。ゴジラを初めて見る人に勧めるものとして、まずは「初代ゴジラ」と「シン・ゴジラ」と思うようなものだったんではないか思う。(「怪獣大戦争」のような路線を否定するわけではないよ。あれはあれで良いので)
恐らくは、禁止則やコンセプトからあまりブレる事無く作られた稀有な作品と言っていいんじゃないかなと思います。特撮部分のCGっぽさは拭えない部分もあるのですが、中盤以外の特撮シーンを「昼間」で描いたのは素晴らしい!八重洲のビル群が破壊され崩れる様は惚れ惚れするじゃない。
●CD
・Stick Men : Prog Noir
2000年代King Crimsonの延長線を突き進んでいるStick Men(3人中2人がクリムゾンのメンバーだから当たり前だけど)3年ぶりの新作。前作の「DEEP」と比べると、音響的に何となく音の広がりやパンチが無くなった感じもするのですが、内容はとても良いです。今回、1曲目の「Prog Noir」からボーカルナンバー。インプロビゼーションやインストが多いバンドであった分、この流れは個人的に大歓迎だし、曲の感じもダークですごく好き。歌ものとテクニカルな部分が両立ができれば、これからもっと楽しみですな。
また、今年は「MIDORI」という2015年の東京でのライブ盤が発売されました。こちらはゲストメンバーとして、元クリムゾンのDavid Cross(Violin)を迎え、2セット分のライブを収めた2CDとなっており、クリムゾンの曲も数曲演奏しています。こちらも素晴らしい。
Stick Menを知らない、「Stick」という楽器を知らないという人は、こちらあたりをご覧あれ。
RELENTLESS(Live in Montreal 2010)
https://www.youtube.com/watch?v=D5cVdvz9hnM
Prog Noir(PV)
https://www.youtube.com/watch?v=YR78Elff0Qs
・Steve Hackett:The Total Experience Live in Liverpool(2CD)
2015年にリリースした「WOLFLIGHT」のツアー”ACOLYTE” to “WOLFLIGHT” plus Genesis Classicsのライブアルバム。
前半はWOLFLIGHTからの選曲と過去のソロ曲と合わせて楽しめる上に、後半はGenesisのナンバーで充実した内容。WOLFLIGHTの内容が良かっただけに、個人的にソロとGenesisナンバーを半々にしてくれたのは嬉しいところ。派手さは無いけれど演奏の安定感も良いし、満足感は高い内容です。映像は輸入盤2CDにはDVD、単体でBlu-rayが出ています。
・Goblin Rebirth:Alive (2CD)
「Goblin」というバンドを聞いてすぐにわかる人は、イタリアン・プログレファンか、ダリオ・アルジェントの映画ファンしかいないんじゃないかと思うんだけど、現在でも活動しております。説明するとややこしいのですが、現在、Goblin名義のバンドはいくつかに分かれています。
「Goblin Rebirth」はFabio Pignatelli(Bass)Agostino Marangolo(Drum)を中心としたゴブリンの派生バンドで、2015年にオリジナルアルバムを1枚リリースしています。
今回の「Alive」は2011年のライブ2枚組なので、「Suspiria」「Profondo Rosso」「Zombi」などの映画サントラと「roller」「Il Fantastico Viaggio Del Bagarozzo Mark」といった過去のGoblinのオリジナルアルバムからの選曲となっています。
Goblinというと、Claudio Simonetti(Keybord)が中心のイメージもあるのですが、演奏面においてはリズム隊を務めるこの2人の存在は大きいようです。(実際、2015年のオリジナルアルバムも結構良いです)
主要メンバーが全員揃ったらなぁという意味で、多少の物足りなさはあるかもしれないけど、演奏に安定感はあるので結構お勧め。
・DOOM:Still Can’t The Dead
失礼な言い方かもしれないけど、パワフルで、骨太で、確かにDOOMだった。藤田氏、PAZZ氏は貫禄の演奏。
諸田コウ氏のフレットレスベースという特徴があったため、どうしても比較される十字架を背負ってしまった新ベーシスト古平氏も上手く溶け込んでいる印象。今後、古平氏のオリジナリティとベースフレーズの芯とエッジがハッキリすると、もっと良いと思う。これからの活動が楽しみであります。
・DAVID BOWIE:Blackstar
アルバムの発売とほぼ同時に故人となられたため、これが最後のアルバムとなってしまいました。自分がよく聞いていたのは、初期~グラムロックの時代が中心で、80年代以降はあまり聞いていなかったのですが、前作の「The Next Day」が良かった事から、改めて聞きはじめていた矢先の事でした。
現実はそんなにカッコイイはずもないのだろうけど、自身の死を前にして、最後の作品に収めたダークさ、妖しさは、ある種の美学としか言いようがないです。R.I.P
・川井憲次:THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦 ORIGINAL SOUNDTRACK
2015年に発売済だけど、今年になって購入。川井憲次氏の曲は独特なコード進行が特徴的ですが、静的な曲が特に素晴らしい。結構映像の方にタイミングを合わせて作られているのだけど、特に強いメロディーラインが無くても音を聞いて「あぁ、あのシーンの所で」という映像が脳裏でよみがえるという、サウンドトラックとしての役割をスマートにこなしている良い仕事ぶりなのである。
今年の川井氏作品としては「ジョーカーゲーム」のサウンドトラックも良かったのですが、映画の流れをサウンドトラックで追体験できるコンパクトさという意味でこちらを推したいと思います。
今回はこれまで。それでは、今年もよろしくお願いいたします。
有限会社エムツーでセガ 3D復刻プロジェクトなどのメインプログラマーを担当していた齊藤彰良氏が亡くなりました。43歳という、早すぎる死でした。
氏とは、エムツーに入社しての初仕事「3D After Burner II」、続いての「3D Thunder Blade」と、お仕事をご一緒させていただきました。
仕事をしていて感じたのは、その類稀なるプログラミング技術もさることながら、強い意志を持って仕事をされているということでした。「このゲームが好き」という事だけで仕事をすることなく、内なる部分で敬意を持ってどうすべきかを考えて仕事をされているという感じがしました。また、それが独りよがりにならない優れたバランス感覚を持ち合わせていたのだと思います。
闘病中、這い蹲ってでもという感じで出社していましたので、無理はしないでいただきたいなと思ってはいましたが、本人にとっては、一本でも多く作って残したいという真摯で切実な願いがあったのだと思います。本当に信じられないほど、最後までヤル気満々だっただけに残念です。
私のような付き合いの日も浅い者が、あれこれと書くのはどうかと思いましたが、その男気を記憶に留めるべく書かせていただきました。どうかご容赦ください。
妻ともども、お世話になりました。謹んで、お悔やみ申し上げます。
明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします。
さて、今年のブログはとうとう1回のみになってしまいました!イヤ~マイッタネ。
気軽な書き込みであれば、フェイスブックやツイッターの方が良いのでは?・・・などと考えたりする事もございますが・・・やらないw
さて、本年中も色々な方々にお世話になりました。来年も宜しくお願いいたします。
今年は、老体がしんどいばかりか、仕事の状況もしんどくなるばかりで、U.K.のライブも、Anekdotenのライブも、King Crimsonのライブも行けず、涙で枕を濡らす日々が続いておりましたが、明日に希望を託して何とか生きております。
●ubusunaについて
以前の雑記にも書きましたとおり、開発にはまだまだ時間が掛かります。現状況において目指している形に完成させるには、そのような方法を取らなければならないという事をご理解いただければと思います。ゲームの開発には色々あって、予算も時間も人員も十分にある開発から、何一つ無いという論外なものまであります。
ご説明するまでも無く、シューティングゲームの開発ですので、後者に近い状況というのがほとんどなわけですが、色々と遣り繰りしながらできるだけ良いゲームをお届けできればと考えています。お待ちいただいている方々には大変申し訳ありませんが、物凄く待っていてくださいネ。
開発段階での手続き上、会社からの公式発表はもう少し先になると思いますが、開発は継続されていますし、日々前進はしていますので、その点につきましては安心して待っていてください。
★今年良かったものなどをまとめて・・・
●CD
・ANEKDOTEN : UNTIL ALL THE GHOSTS ARE GONE
前作「A TIME OF DAY」から8年ぶりの新作。
クリムゾンの影響下であった初期の頃から少しずつ変化し続け、いつの間にか一聴して「おぉ、ANEKDOTENだ!」とわかるような個性を兼ね備えていたように思います。もちろんプログレではありますが、オルタナ系ロックのノリにメロトロンを重ねたようなスタイルは、もう十分に彼らの個性だよなぁ。
ブランクの割りにサウンド的な変化があまり感じられなかったため、地味な受け取られ方をしたような気がするが、実は聴くごとにだんだん体に浸透していくような良さに溢れていると思う。自分の中では、今年一番気に入ったアルバム。
・Steven Wilson : Hand. Cannot. Erase.
相変わらず完成度高し。各メンバーの演奏も上手いが、録音からマスタリングまで気配りされているんだろうなぁという感じ。
コンセプトアルバムという事で、もう少し詳しく内容がわかると、もっと楽しめるのかと思ったりもするが、なんとなくで想像しながら聞いて、モヤモヤするのも一興である。
コンセプトを含めて真面目な作りなので、ロックミュージックとしてのウイットさは無いものの、それを抜いても完成度は高い優等生な音楽。
・DOOM : NO MORE PAIN ~COMPLETE EXPLOSIONWORKS SESSION
以前、ここで紹介した日本のスラッシュメタルバンド「DOOM」のインディーズ時代1987年作「NO MORE PAIN」です。前回は再発予定が流れてしまったわけですが、今回はちゃんと発売されました。
しかも今回は、オリジナルLPバージョン、初回特典に付いていたソノシート、EPの音源、以前発売されていたCDバージョンすべて入っております。
以前のCDは、差し替えや深めに掛けられたリバーブなど、音源に結構手が加わっており、より直接的なサウンドであったLPバージョンを待っていた人達も多いのではないでしょうか。そういった意味でも過不足なしにパッケージングされています。リマスターも元録音の問題まではカバーできないものの、現状で最良かと思います。
次作(メジャー1枚目)「Killing Field…」はプログレ要素が強くなり自分好みなのですが、DOOMの作品の中でも疾走感が魅力の本作も最高であります。
また、昨年再結成した彼らの新作、「Still Can’t The Dead」が2016/3/2発売予定になってます。楽しみよの~。
・Iron Maiden : The Book Of Souls
何と言うか、金太郎飴のような音楽になりがちなヘヴィメタルにおいて「継続は力なり」を体現しているその姿は尊敬に値すると思う。高校生の時から聞いてるバンドだから、もう何を出してきても驚かないけど、原点回帰的なサウンドと曲を出されたら盛り上がらないはずも無い。
難しい事は考えず、楽しめばいいと思えるようなアルバム。
●Blu-ray
・Andrei Arsenjevich Tarkovsky : [STALKER] [NOSTALGHIA] [The Sacrifice]
これはタルコフスキーが70年代終盤から80年代に撮った映画(後期3本)ですが、ようやくBlu-ray化ということで・・・
以前のDVDが廃盤になってから結構経ちますので、特に「ストーカー」はBlu-ray化が待たれていた一本ではないでしょうか。最良の状態でBlu-ray化とはいかなかったようですが、この内容あってこその映画ですので、私はさほど気にしてません。(「ノスタルジア」「サクリファイス」は綺麗な画質、正に映像美)
簡単に説明すれば「惑星ソラリス」を代表とする精神世界方面のSF作品となるでしょうか。タルコフスキーの映画は娯楽とは言えないかもしれませんが、心の中から「何か」を引き出してくれる、あるいは何かを発想させてくれる稀有な魅力があるように思います。大抵の人が途中で寝るので、エンターテインメントを楽しみたい人にはお勧めできないのですが、そこをあえてお勧めしたい!
「主よ 怖ろしいことに 誰もあの部屋を必要としていません。 私はむなしい努力を…」(「ストーカー」より)
このセリフが、誰による誰に向けたものであったか・・・感慨深いですな。
・岩井俊二 : 花とアリス殺人事件
蒼井優、鈴木杏、主演の映画「花とアリス」の前日譚として作られたアニメーション。(声はそのままのキャステング)話の筋は派手さの無いユーモラスな日常風景であるが故に、単館映画を見る感覚に近いです。その感覚が伝わるならばお勧めだし、「花とアリス」を見て楽しめた人や、岩井俊二監督の映画が好きな人には当たり前のように楽しめる映画。(初めて見るならば「花とアリス」からの方がいいかも)
こうして、文章にすると地味で勧める所が無いような感じに見えてしまうかもしれませんが、こういう映画の面白さは繊細な感性部分を察したり、汲み取る所に感じられると思うので、なかなか文章に表しにくい。(文章力が無くて申し訳ない)最近この空気感の映画を作れる機会や人が少なくなった感じもするんだけど、続けていってほしいですね。
・U.K. : Curtain Call (Blu-ray+2CD)
プログレッシブ ロックバンド「U.K.」の2013年、日本でのライブを収めたビデオ。Eddie Jobson(k)、John Wetton(vo,b)、Alex Machacek(g)、Marco Minnemann(d)というおそらく今現在でベストな布陣。
これまで、ブートレッグのようなCDとDVDを買わされてきた者にとっては、やっとまともな映像と音質で見ることができるものが発売されたと言っていいかなと思うんだけど、やはりパーフェクトとは言えないかな~。
画質も悪くない、サウンドも悪くない、カメラワークは最高ではなくとも許容範囲。では何が良くないかというと、オーディエンスの音を拾うことに失敗したか、そのトラックに何か問題があったと思われる。あきらかに演奏の音質と、拍手などをとらえたオーディエンスの音質が違いすぎる上に、ミキシングコントロールしているのが露骨にわかるので、非常に不自然。
このライブの翌日に同会場でおこなわれたEddie Jobsonのライブ「Four Decades Special Concert」(こちらもなかなか良いです)のビデオも同時に発売されたのですが、こちらでは、この問題が改善されているので、やはり収録上の問題があったと思われます。
内容はU.K.の2枚のアルバム「U.K.」「Danger Money」とライブのみで発表されたナンバーを含めた全曲の演奏ということで、このライブだけでU.K.のほぼ全曲を聴くことができます。Eddie Jobsonはしっかり弾きこなしていますし、John Wettonの声も良く出ています。それに加え、Allan Holdsworthのギターフレーズを再現するAlex Machacek、上記Steven Wilsonのバンドでドラムを務めるMarco Minnemannのドラミングは素晴らしく、この若手2人のサポートあってこその全曲演奏とも言えるでしょう。
前述のオーディエンス音の事だけが残念ではありますが、それを差し引いても悪い内容ではありませんので、プログレがお好きならお勧め。
●Comic
・七月鏡一 , 早瀬マサト : 幻魔大戦 Rebirth 1 & 2
平井和正・石森章太郎の共作であった「幻魔大戦」。小説、漫画ともに様々な派生の仕方をしたわけですが、七月鏡一(脚本)、早瀬マサト(漫画)の手で続編の漫画が登場しました。元はコミックサイト「クラブサンデー」で連載されていますが、単行本でも出ていますので、お好きな方で読まれるのが良いかと思います。
最近はこの手の企画も多く、色々な漫画家さんによって名作のリバイバルがおこなわれているわけで、「幻魔大戦 Rebirth」もその中の一本であります。
早瀬マサト氏が関わっているなら期待できるかな?(すみません。七月鏡一氏の事はよく知らなかったのです)と思いつつも、正直、期待半分、不安半分で手に取ったわけですが、これがどうして、どうして・・・面白いです!序盤こそ「リメイク?」と思うような感じですが、色々な要素がじわじわと足されていき、00ナンバーの石ノ森キャラが出てきた日にはニヤッとしてしまうではありませんか。
この先、どう昇華させるのか楽しみであり、大事に最後まで完成させてほしいなぁと願わずにはいられないタイトルです。
・・・というわけで、今年はこれで終わりになりますが、皆さん、良いお年を!
明けましておめでとうございます。昨年中お世話になった皆様、ありがとうございました。本年も宜しくお願いいたします。
もう12月かョ。寒みー。
●Crokinole
少し前のニュースで見たのですが、宮内庁が公開した「昭和天皇実録」の中で、昭和天皇が幼少期に遊んだ遊びとして「クロックノール」というゲームが紹介されていて思い出した。これ、昔、友達の家にあって遊んだことがある。たまに思い出すことがあって、あれば欲しいなぁって思ったんだけど、何というゲームかも忘れてしまっていた。
「クロキノール Crokinole」というのですね。調べてみたら日本では「闘球盤」という名前で売られていた時期があって・・・なるほど、その友達も日本名ではそう言っていたような気がする。更に調べると闘球盤でも2種ぐらいのルールがあったり、似たゲームとして「カロム」や「キャロム」というものもある。
ただ、カロムやキャロムはビリヤードに近く、クロキノールや闘球盤はカーリングに近い感覚がある。自分が欲しいのは後者。せっかく分かったので買って遊ぼうと思って探したが、日本ではどこにも売っていない。欧米では選手権があるぐらいで割りと手に入れやすいようですが、輸入は少々厳しい模様。まぁ、ボードからして大きいし・・・(カロムは日本でも売られているようです)
友達の家にあったものは、当時でも年代物の風格があったので、誰かの手作りか闘球盤として売られたものだったのかも。闘球盤であれば、たまにヤフオクに出たり、アンティークショップに出回ることもあるようですが、なかなか手に入れるのは難しそうですナ。
う~ん。手に入らないとなると余計に遊びたくなるw。色々物色してたらスマホアプリにあった。「Croke」\200也。早速買ってみたが、悪くはない。だけど、ハングアップするバグはあるw。ルール確認にも役立つけど・・・やっぱり、いつか本物でやりたいよなぁ。
●UBUSUNA
大したことは言えませんが、たまに制作のお話には触れておこうと思ってます。
ゲームの内容については、オープンにできるような情報はございませんので、会社の方から公式なアナウンスがあるまでお待ちいただければと思います。
現在制作の方は、まだ下準備中。仮ゲームは動いていても、本制作に入る前にやることは沢山あります。小規模であればあるほど1人毎の仕事は多くなりがちですので、できるだけヘヴィな平行作業を減らすために、今回は必要最低人員で出来るだけの土台作りに時間をかけさせてもらっています。(企画とかシステム部分の制作といった事ですね)
本制作に入れば人数も増える予定ではありますが、現在頭を悩ませている問題は、デザイナーの人員不足。社内で調達できないので、外部のデザイナーに頼ることになるわけですが「3Dツール等の扱い」「絵的な方向性の一致」「ゲームの制作知識」「シューティングゲーム制作のモチベーション」を兼ね備えた人を探すのはとても難しいわけです。3DCGを扱う会社も沢山ありますが、会社とフリーランスとでは予算的な格差もあるため、そのチョイスもなかなか難しい。何年もかけて良いのであれば、自分で全部・・・って話もあるかもしれないけど、今時それはナンセンスなお話。(いや、昔でもナンセンスだったはずか・・・)
というわけで、「我こそは!」という人がいたらですね、会社の方へメールででもお声をかけていただければと思います。上記の条件を満たす必要はあるので、やる気があれば誰でもOKって話ではないですが、別に身構える程でもありませんのでよろしく。
●最近のCD・VIDEO関係
・VAN DER GRAAF GENERATOR : RECORDED LIVE IN CONCERT AT METROPOLIS STUDIOS, LONDON(CD+DVD)
これは2012年に出ていたものです。(輸入版のみ)アマゾンで2種ありますが、安い方はPALなのでNTSCの方を購入。リージョンフリーなので、DVDも普通に見られます。
「A Grounding In Numbers」発売後のライブなので、3人編成。お歳を召した渋さはあるものの、良くも悪くもあまり変わってない印象。ブレが無い。音楽的な完成度より、精神性を追求したような表現手段がこのバンドの持ち味な気がするので、これはVAN DER GRAAF GENERATORという芸能なのだなあと思う。
一般的には取っ付き難い音楽だと思うけど、好きな人は徹底して好きなのも良く分かります。内容的には新旧の曲をバランス良くという感じで好印象。3人編成の「Man-Erg」もストレートな感じでなかなか。
・YES : Relayer (CD+Blu-ray)
Steven Wilsonのリミックス3弾目。「Close To The Edge」では、良し悪しは別としてカットされていたコーラス部分を復活させたり、あえてオリジナルとは変えた印象があったのですが、2弾目の「The Yes Album」と今回の「Relayer」は、オリジナルからあまり変化させない方向でミックスされています。当然、音自体は聞き比べれば違うのですが、丁寧に聞きやすいサウンドバランスで調整されている印象。
Blu-rayには、色々なバージョンも収録されていますので、過不足ない内容になっていると思います。
内容については今更語るような事もないのですが、あらためて聞いてもPatrick Morazって、曲中での音色選択が的確で上手いよなぁと思う。個人的に「Relayer」は、好きなYESのアルバムベスト3に入るので、現時点でのチョイスはとてもありがたいです。
・GENESIS : SUM OF THE PARTS (Blu-ray)
ジェネシスはすごく好き。でも、これはゴミとしか言いようが無い。つまらない上に、ちゃんとヒストリーとして作る気があったのかさえ疑わしい。ジェネシスをあまり知らない制作者がウィキペディアに記載されている程度の知識を元に突貫で作ったものとしか思えない内容。
初期メンバー5人が一堂に会したというのが今回の強みであったはずなのですが・・・これならば、5人でそれぞれの時代の映像を見ながら座談会をしてもらった物をまとめた方が、よほど面白い話が聞けたのではないかと思います。
史上初のオフィシャルヒストリーという触れ込みですが、90年代にVideoやLDで出ていた「ザ・ストーリー・オブ・ジェネシス」(A HISTORY GENESIS)は違うのだろうか?いまだにLDを持っていますが、こちらの方が出来は良いです。
「レアな映像」というのも既出のものばかりをチラリと見せる程度なので驚くものは何も無いし、メンバー同士の人間関係は計り知れないものの、Steve Hackettの扱いは本人達もおかしいと思わなかったのだろうか?
また、ローカライズとしては、字幕がデカイ割に早すぎて読めないし、場面によって左・右・下と字幕の場所がバラバラで読みにくく、酷いところでは左右両方同時に字幕が出る乱暴な作り。もちろん、これは元映像の編集にも問題があるが、4~5千円も出して見る必要はないと思う。
・Peter Gabriel : BACK TO FRONT Live in London (Blu-ray)
上記ジェネシスのヒストリーが酷かったからという事ではなく、純粋にPeter Gabrielのライブビデオとして素晴らしい出来だと思う。音処理や解像度の恩恵なのか、この空気感は今までのビデオではなかなか味わえなかったような気もします。
ライブは3部構成になっており、1部はアコースティックなアレンジ構成。2部はバンドサウンド構成、3部は5枚目のアルバム「So」の全曲演奏という内容。
個人的には選曲などの面から「GROWING UP LIVE」が現時点でベストですが、衰えを知らないPeterの声、渋いTony Levinのベース、円熟したアレンジを聞かせてくれる今回のライブも素晴らしいです。
輸入版しか出ていませんが、これがアマゾンで1900円とはお買い得。Peter Gabrielが好きならオススメ!
・PINK FLOYD : The Endless River (CD+Blu-ray)
1994年制作「Division Bell」のセッション・アウトテイクスを元に制作されたとの事。ボーカル曲が1曲だけなので、少々面食らいます。クオリティは高く、良質のアンビエント+αであることは事実ですし、曲が繋がっていることから「A Saucerful Of Secrets」のような大作インスト曲の雰囲気を感じられる部分もあります。ただ、「The Dark Side Of The Moon」以降の流れを期待して、「フロイドの新作だ!」ということだけで飛びつくと肩透かしを食らうかもしれないといったところ。
Richard Wrightへのトリビュートということでもあるらしく、なるほどサイケなFarfisa系のオルガンやシンセの音色は初期~中期のそれを感じますし、楽曲を聞いていくと色々な時代のフロイドサウンドを感じさせる部分があり、それがコンセプト的なものかどうかは分かりませんが、足跡を辿る走馬灯のような・・・あるいは、肩の力を思いっきり抜いたカーテンコールのような・・・そんな雰囲気を醸し出しているようにも感じられます。
フロイド初心者に勧めるようなアルバムではないけど、たまに聞くには結構良いんじゃないかと。Blu-rayの方は、ファン向けのオマケと思った方がいいですね。